第322回
野外宴会を開始
宴会当日は快晴。
東京から馬頭の畑までの東北道は
紅葉を見に行く行楽客の車で混んでいて、
しかも、途中で事故があって大渋滞。
馬頭についてから、
収穫した蕎麦を古河の農場に持っていって
脱皮、製粉の依頼をする仕事を終えて、
馬頭に戻ったら夕方の日暮れどきになっていた。
そのころに、宴会の他のメンバーも集合して、
畑の持ち主の農家の方も加わり、
総勢6名で宴会と宿泊の準備が始まった。
テントが張られ、畑にはアウトドア用のテーブルと椅子、
それに、大型バーベキュー、七輪2台が用意される。
まずは、お造りの準備にかかる。
小樽から送ってもらったソイは3尾。
口が大きく、アラのように腹がふくれた姿は
鯛のような美しい魚体とは対極。
しかも表面はヌメリが多く、水道も渓流もない畑での作業は大変。
ポリタンクの水を大事に使いながら、魚を捌き始めた。
ソイの魚肉は白身といっても、赤味がかっていて、
見るからに濃い味わいが期待できる。
30分ほどで、3尾をおろし、厚めのお造りに仕上げた。
乾杯する日本酒をどれにするか、楽しい議論が始まる。
今回は、
・すっぴんるみ子 純米無濾過生原酒
・秋鹿 山廃70%純米無濾過生原酒
・奥播磨 純米吟醸雄町 H9BY
をあらかじめ準備していたが、
古河の農場からは、
そこの無農薬米のササニシキを用いた
菊盛「ありがとう」山廃をお土産にもらってきていた。
また、神亀生原酒、雪のボウシャ古酒を
メンバーが持参してきていた。
まずは、菊盛「ありがとう」で乾杯ということになった。
芳醇な味で、ソイの深みのある味わいによくあう。
このソイは脂も上品で、ぷりっとした食感も最高。
もう1日くらい熟成するとさらに旨みが乗りそうだ。
炭火も元気に起きてきたので、
ソイを周りだけ炙って半生状態でレモンをかけて食べてみた。
これまた超舌美味至極。
さらに、カマを焼いたが、
ねっちりした目の奥など舌が舞い上がってしまいそう。
日が落ちて、畑は冷え込み始めた。
薪を燃やして暖をとることにする。
夕焼け空に帳がおりてきて、
地面にはメラメラと焚き火が燃えている。
この非日常の環境のなかで食するソイと地酒の旨さは格別。
まだ、夕刻の6時を過ぎたところで、十分な時間が残されている。
酒と焚き火で身体は火照ってきて、宴はさらに進んでいく。
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