|  第260回帆立、牡蠣、海胆殻焼き、鮎飯
 鮑の肝ソース炒めを食べているうちに、日が落ちて暗くなってきた。
 ランタンを持ってきていたので、
 テーブルの近くに置いて点灯する。
 我々の空間だけが明るく浮かび上がり、
 これから過ごす長い夜の楽しみが予感される。
 帆立と牡蠣は殻ごと炭火焼をした。それに海胆。
 これは、殻を包丁で割って殻ごと炭火焼きをする。
 これらは、各自の好みで
 日本酒、シャンパン、醤油、レモンなどをかけて食べる。
 大自然のなかで食べれば、どんな食材でも美味しく感じられるが、
 北海道から取り寄せた新鮮な魚介類は本当に極上の味だ。
 厚岸の牡蠣はLLを取ったので、
 極めて大きく、身がぷりっとしている。
 それをまるごとほおばる。
 日本酒は、秋鹿「山廃純米山田錦70%精白無濾過生原酒」、
 秋鹿「山廃純米雄町70%精白無濾過生原酒」、
 秋鹿「純米大吟醸嘉村壱号田
 無農薬自営田山田錦50%精白生原酒」、
 るみ子の酒「英生
  純米」と1升瓶が4本。 それに、フルーリのロゼシャンパン、
 バーボンウイスキーなどを持ってきてあった。
 秋鹿の山廃造りと海胆焼きがなかなかよくあった。ここで、極めつけの美味が提供される。
 Sさんの釣ってきた箒川の天然鮎の鮎飯ができてきたのだ。
 これが、鮎の香りがご飯についていて、
 そのご飯が独特の粘りをだしていて、
 味わい、香り、食感ともすばらしい。
 近くを流れる清流の音も食欲を倍増している。
 すっかり暗くなって、周りの景色は真っ黒にそまり、美味しい料理だけが輝いて見えている。
 日本酒は最初は常温で飲んで、
 そのあとからは、4合瓶を使って燗をつけた。
 秋鹿の嘉村壱号田はさすがに燗にすると美味しい。
 もちろん常温でも抜群の旨さはあるが、
 燗をしてさらに奥深い味わいが表にでてきてくれる。
 自然のなかで時間がとてもゆっくり流れていることが感じられる。まだまだ、食材はある。
 なんといっても、帰らなくていいという安心感が、
 酔いも心地よくしてくれていた。
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