|  第231回自宅の近くのカウンター割烹
 自宅の近所で『薮原十区』というカウンター割烹料理屋が人気があるというので、
 先日、妻と訪問してみた。
 環六沿いの、駒場の東大の裏門近くの三叉路にある。
 全部で7席の小さい店だが、従業員はご主人の細越さんだけ。
 料理は独学というので、どんな店かが興味津々だった。
 まずは、すずき鱸のスープが提供される。褐色のスープは結構濃い味わいで、鱸の旨みが好く出ている。
 潮汁のように、高温でさっととった出汁ではなく、
 80℃くらいの低温で、8時間かけてとったという。
 なかなか深い味わいのスープでお腹が安心する。
 日本酒は細越さんは自分ではアルコールが飲めないので、酒屋さんに任せているという。
 多摩の小山酒店とのことだったので、半分安心する。
 日本酒は純米酒、純米吟醸酒を全部で4種類選択できた。
 飲む前に全種類を少量づつ味見をさせてくれるのは、
 とてもいいサービスだ。
 味見をして、どの酒にするかを判断する。
 これも、自分で酒を飲めない細越さんならでは
 考え付いたサービス方法なのだろう。
 自分は飲めないので、勧める責任がもてないので
 客自身に判断してもらうという発想だ。
 料理は、野菜と魚を中心として8品が次々とでてくる。魚は火を通して美味しくするということをテーマとしている。
 魚の本当の美味しさは火を通してこそ味わえるという思想で、
 これは、まさに私の提唱してきた魚の食べ方そのものだ。
 鱸のフライがとても秀逸。
 厚めの身の肉がふかふかして、熱々状態。
 口に入れれば、上品な旨みが奥から溶け出してくる。
 ご飯は、浅利飯し。
 これは、炊き込みご飯ではなく、
 浅利を煮て、ご飯に煮汁とともにかける。
 浅利のダイナミックな香味がご飯に合わさり、
 ご飯がいくらでも食べられるような気になる。
 さらに、凄い鱸を手に入れたら、このご主人はどうするだろうか、といういたずら心が芽生えた。
 早速、鳴門の漁師、村公一君の話しをしてみる。
 ぜひ紹介してくれとのことだったので、
 連絡をとり村君を紹介したところ、
 すぐにサンプルが送られたようだ。
 近々、薮原十区で村君の鱸が食材となると思われるが、
 そのときにどんな料理がでるかが楽しみだ。
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