“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第197回
イタリアワインの会 〜その7

バローロはだいたい、3種類の造り手が存在している。
一つは頑なに昔からの大樽での製法を守って、
しっかりした骨格のあるワインを造っているカンティーナ。
アルドコンテルノなどが、この分類に当てはまる。
この分類のバローロは極めて長熟なことが特徴だ。

次が、儲けだけを考えていて、
品質に気を使わない大手の造り手。
彼らは葡萄栽培者に安い葡萄を大量に作らせて、
バローロの品質低下を招いている。
そして、最後がバローロボーイズと呼ばれる新進の造り手。
マルク・デ・グラッツィアというワイン商が、
バローロの品質低下の堕落を憂いて、
ブルゴーニュに学ぶことを提唱。
若い葡萄栽培者が従い、
新しいカンティーナが誕生することになった。
そのバローロボーイズの旗手として、
活躍するのがパウロスカヴィーノだ。

以前、パオロ・スカヴィーノには
トリノ出張の折に訪問したことがあり、
英語ができないお母さんが
突然の訪問にも関わらずに丁寧に対応していただいた。
そのとき試飲した、
バルベラダルバとバローロ・ブリック・デル・フィアスクが
とても印象的で、一度にファンになった。

昨年にパルマで開催された学会の
国際シンポジウムに参加したおりに、
ピエモンテのモンフォルテまで車で日帰りして、
そこのエノテカで購入したのが、
Barolo Cannubi 1998 Paolo Scabinoだった。
口開けして、香りを一同で楽しむ。
スパーシーな香りが凝縮された味を期待させる。
口に含むと、その骨格の凄さに圧倒されそうになる。
とても深く、しかし、嫌味でないタンニンに、
優しい酸が覆っていて、
飲んだあとの余韻が永遠に続くかと感じられる。

今回の飲んだワインはいずれも個性が違い、
しかも高品質で、とても満足できた。
4人でフルボトル750mlを5本に、トラピストビール、
そして、デザートワインはとても飲みきれないと思っていたが、
気がついたら、ほとんどの瓶が空になっていた。
一同とても満足して酔いしれた昼下がりの美味であった。


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2005年5月24日(火)

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