第177回
月島ではモンジャより居酒屋

月島はモンジャ焼きで有名だが、
ゆっくりと飲みたいときにはいい居酒屋がある。
昔懐かしい雰囲気で飲みたいときは「岸田屋」がお勧め。
戦前の大衆酒場はこうだったんだろうという
古びた建屋と庶民的なサービスが迎えてくれる。
酒肴はシンプルなものだが、
きちっとした味付けがしてあり、いずれも美味。
煮込みは秀逸。
燗酒によく合う。
岸田屋は西仲通商店街のはずれにひっそりと佇んでいる。

そして、もう１軒の素晴しい居酒屋が、
最近知った「味泉」。
その噂は前から耳にしていたが、
最近初めて訪問してその実力に驚かされた。
旨い地酒が揃っているのはもちろん、
料理の質が実に高い。
築地に近いということもあって、海産物がとても美味。
いい食材を使っていることはもちろん、
酒に合うように適切な手を加えてあるのが嬉しい。

先日一人で訪問したときには、
若布とワケギのヌタ、コハダ、活ヤリイカ刺身、
煮穴子、コロッケ、揚げ茄子のピリカラと注文し、
酒は、るみ子の酒「英」（はなぶさ）、
鶴齢無濾過純米生原酒、神亀純米、
天遊林古酒と燗につけてもらった。
いずれの相性もとてもよく、満足度はとても高かった。
これで、結構酔っ払い、相当お腹一杯になった。
お勘定は8600円くらいだったが、
二人で来れば一人が6000円から7000円くらい
といったところだろう。

店は地下鉄の月島駅から西仲通商店街をつっきって、
２本目の道路を左に曲がったところにある。
カウンター７席、テーブルが14席程度と小さい店だ。
事前に予約したほうがいい。
私が開店直前に電話したときには、
カウンターが一人分だけあいていて、
あとはすべて予約が入っていた。
カウンター席が奇数なので、
一人分あいていたのだろうが、ラッキーだった。
定休日は日曜と月曜。
酒飲み人生にまた楽しみが一つ増えた。