第90回
小樽の美味
居酒屋「開」からホテルへ戻るときに、
シャンパンを酒屋で調達して、
30階の夜景を肴に飲もうと企画。
すすきの辺りをウロウロして酒屋を探す。
酒の印のあるコンビニに入ったりしていたが、
さすがにシャンパンは売っていない。
と、ある角を曲がったところにあった。
なんと「エノテカ」の支店だ。
贅沢は言わずに冷えたシャンパンを仕入れて、
ホテルの部屋のもどっていただく。
札幌の夜景が宝石をちりばめたようで、
シャンパンがとても美味しく感じられた。
翌日は小樽へ寄ってから、
千歳空港への帰途につくことにした。
小樽では三角市場に寄るのが楽しみだ。
年に何度か蟹、魚を取り寄せているお店によって、
お土産をしこたま買い込んだ。
ホッケ、子持ちシシャモ、松前漬、烏賊の沖漬、烏賊の塩辛、
いかすみさきいか、岩のりくらげ、イクラなどなど。
筋子を買って自前のイクラをつけようかとも思ったが、
北海道の筋子はすでに終わっているとのことで、あきらめる。
あとは、翌週に予定している
学生たちを自宅に呼ぶ宴会で使う食材の相談をしたが、
アンコウとシマソイ、八角を取ることにした。
シマソイも初めての経験なので、とても楽しみだ。
自宅へ送った魚介類のなかでは、
烏賊の沖着が秀逸だった。
辛くなくて、烏賊の身の味がとても引き立ち、
日本酒によく合う。
翌日東京で行った、
燗酒のブラインド利き酒会のお土産に持参したら、
参加者の間でとても評判がよかった。
三角市場で美味しい鮨屋の情報を聴く。
小樽といえども鮨屋のレベルはピンきり。
特に、小樽は鮨が旨い観光地として評判になっていて、
鮨屋通りなどの名前の通りがあるくらいなので、
手抜きをする店がかなり多い。
「蔵鮨」という
北海道経済新聞の向かいの鮨屋を勧められる。
おまかせで、握りを注文したが、
鮭の炙り、大トロの炙りが燗酒に合ってすごくよかった。
他のネタも満足がいくものだったが、
最後に頼んだ蟹汁がとてもよかった。
タラバを使った粕汁仕立てになっていて、
雪が舞う寒風のなかを歩いてきた身体を暖めてくれた。
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