“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第62回
良心的な酒屋の見分け方

酒屋も色々あるが、
どんな地酒小売店が信用できるのだろうか?
一番基本となるのは、
店主が日本酒に対して愛情を持っているかどうかだ。
日本酒に愛情を持つ酒屋は、
取り寄せる酒を醸している蔵と行き来をして、
良好な人間関係を維持している。

もとミツミ社長で、
現在、個人でブルゴーニュワインの輸入業を行っている
田口朝一さんは、
どんなワインの雑誌にも紹介されていない
知名度の低いワイナリーを現地で探して、取引している。
そのどれもが、安い価格の割にはとても美味しい。
無駄な化粧した香りはせずに、
素顔のピノノワール、シャルドネの味が感じられる。

田口さんにどうやって美味しいワインを造っている
ワイナリーを見分けるのか聞いてみると、
ワインを見るよりは、それを造っている人を見るのだという。
ワイン造りの考え方を聞いてみれば、
そこのワインの質、将来性がすぐにわかるとのことだ。
日本酒も蔵元の人となりが
品質を決めるといっても過言ではない。
それ故、蔵訪問をおこたらずに、
よい人間関係を維持することがいい地酒小売店の条件と言える。

年に一度は蔵を訪問するには、
品揃えが多すぎないことが必須だ。
品揃えを自慢している酒屋、
有名どころの地酒をなんでも揃えようとしている酒屋などは、
実は蔵元の実情を理解していないと言える。
ある程度種類は限定して、
蔵元とのつきあいを大切にしている酒屋。
そのような店は蔵の造りの状況を
毎年把握する努力をしている。
どの銘柄がどんな出来だったか、
ということを押さえることはもちろん、
他の酒屋とは違ったスペックを特別に仕入れたりもする。
同じ銘柄でも、仕込みが違えば味も違うし、
濾過、加水、火入れの有無などで、全く違う味になるからだ。


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