“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第35回
コスモスの丘で秋鹿を堪能

琴平の蔵での宴会の翌朝、
丸尾社長の運転する車で瀬戸内海を渡り、能勢へ向かった。
途中、丹波で黒豆の枝豆を調達する。
松茸の季節でもあったが、
さすがに丹波のものは現地でも十分高い。
昼過ぎに目的地の能勢に到着した。
能勢は大阪府だが、京都府と兵庫県の県境の近くにあり、
緑深い谷あいのなかに、田圃が一面に広がっている。

秋鹿酒造は能勢の倉垣という村にあり、
近くの田圃での自家栽培と契約栽培の山田錦で
ほとんどの造りをまかなっている。
最近日本酒の蔵元が自家栽培を行う蔵はだんだん増えてきたが、
秋鹿ほど本格的に原材料である、米の栽培から醸造まで
一貫して酒造りを行っている蔵は他にはみない。

東京から来た別働隊と合流し、
秋鹿酒造の自家栽培の田圃に育つ酒米を見学したあとで、
蔵の裏手の丘の上での宴が始まった。
そこには東屋が設置されていて、
そのすぐ前には2段にわたって
コスモスがピンクの花を満開としている。
コスモスを通して田圃が敷き詰められている下界が見下ろせる。

お手製のマグロのカルパッチョサラダ、馬肉ソテでスタートし、
秋鹿の純米無濾過生原酒67%精白、
純米大吟醸、山廃、熟成酒などを堪能。
秋鹿は芳醇な中にも切れのよさがあり、
飲み終わったときには口の中に残らない。
濃い酒だが、酸がよくでていて、
アミノ酸が少なく綺麗な酒なので、いくらでも飲める。
地鶏、鮑、サザエ、SPF豚などを炭焼きし、
さらに黒豆の枝豆も鞘のまま炭焼きにした。

東京から来ていた高田馬場「真菜板」の杉田さんは、
枝豆を茹でるとビールに合うが、焼くと日本酒によく合う、
と以外な美味しさに喜んでくれた。
ほこほこ香ばしくて、秋鹿にとてもよくあう。

地の山の幸、海の幸、風景、そして秋鹿と、
美味しい条件が全てそろった一日だった。


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