“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第31回
蕎麦栽培をして蕎麦がわかる

蕎麦の栽培を始めて今年で9年目になる。
いい蕎麦粉を確保することが、
美味しい蕎麦を打つための必須条件だが、
日本全国の製粉所の蕎麦粉をいろいろ試してみて、
市販の蕎麦粉の品質に満足できずに、
仲間を集めて自家栽培を始めた経緯がある。

最初の年は茨城県の奥久慈の大子(だいご)で、
蕎麦関連のメイリングリストの仲間を誘って栽培を開始した。
収穫量は少なかったものの、
通常の蕎麦屋では味わえないほどの素晴らしい蕎麦を堪能できた。
また、蕎麦の種まきから石臼製粉まで
全ての蕎麦粉を作る過程を体験して、
蕎麦についての知識、見識を格段に深めることができた。

次の年は当時の勤務先の栃木県の会社仲間をつのって、
大子の少し南の山方(やまがた)で栽培をして、
この年は大豊作だった。

蕎麦は他花受粉といって、
雄花と雌花の間を虫が飛んで、花粉を運ばないと受粉しない。
それ故、花が咲く時季に雨が多いと
虫が少なくて収穫量が少なくなる。
蕎麦は米以上に天候の影響を受ける作物だ。
3年目からは栃木県の馬頭(ばとう)の畑を借りて
長く栽培を続けていたのが、
今年は道路新設工事で使えなくなった。
「こんなところに新たな道路が必要か?」
と地元では言っているにもかかわらず、工事は始まり、
蕎麦栽培はできなくなった。
そこで、今年は、栃木県の芳賀町の畑を借りることになった。

水はけがいいこと、日照がいいこと、
昼夜の寒暖の差が大きいことが良好な蕎麦栽培条件だが、
まあまあ適していた。
さらに幸運だったのは、畑の持ち主が栽培仲間で、
現地には普段は使っていない住宅があって、
宿泊、宴会なども可能という点だ。
蕎麦の白い花を見ながら酒と料理を愉しむという、
これまでは叶わなかった夢の宴会が実現できることになった。


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