第163回
遠くからのアプローチ
前屈運動に関しては
このコラムでも何度か取り上げてきました。
教室でも見ていると腿の内側や
膝のうら側に硬さや違和感を覚える方が少なくありません。
伸ばしたいところがなかなか思うように伸びてこないと
からだが痛むしやる気も失せるしで、
ストレッチや柔軟運動に対して
避けてとおりたい感覚が強くなってしまいます。
けれど年齢が上がれば上がるほど
関節の可動する範囲をしっかりと保つ事が大切である事も
皆さんご存知でいらっしゃいますよね。
今日から数回に分けて開脚前屈に焦点をあて
“伸ばすべきところ”へ直接アプローチをする前に
“遠くから徐々に”ほぐしていく方法をご紹介していきます。
いつもどおり言葉のみの誘導になりますが、
イメージをどうぞふくらませながらお付き合いください。
A:背中と胸を動かします。
1.まずは床に膝を伸ばして座り、開脚しましょう。
もしこの体勢がとりづらければ、クッションなどを
お尻の下にかませると楽になります。
(椅子に座りながらでも上半身の使い方のイメージができます)
2.両腕を頭の後ろに回し、指を組みます。
3.息を吐きながら背中を丸めてオヘソを覗き込みましょう。
肩甲骨の間をグーッと広げるように。
両手は後頭部にそえたまま両肘を前方に閉じます。
4.次に息を吸いながらオヘソを前方へ押し出すイメージで
斜め上に目線を走らせながら、
背中をなるべくピンと伸ばします。
両手は後頭部にそえたまま肘を外側へ開き胸をはりましょう。
5.これを4〜5回、繰り返します。
こうして背中と胸をしっかり動かす事で
骨盤が前後に動きやすい状態をつくっていきます。
そうなってくると股関節の周りも刺激されて少しずつ
ほぐれていくのを感じるはずです。
今日のお風呂上りにぜひ試してみてください。
明日は足首に焦点をあてて、さらに前屈運動へ働きかけます。 |