第125回
時には大股 たまには小股
移動手段として一番の基本である脚。
“老化は脚から”などと聞くと
強化しなければ!と誰もが感じることでしょう。
骨盤と大腿骨がジョイントされている付け根部分を
“股関節”と言いますが、
現在お年寄りで寝たきり状態の殆どの方が、
この部分を転倒による骨折で身動きできなくなり、
止む無くベッドにしばられている状態です。
骨盤にはまっている大腿骨の頭(骨頭)は
他の関節にくらべ血管の量が少ないことから
酸素や栄養分が乏しい状態にあります。
また、アルコールを飲み過ぎると
この部分に壊死を起こす事があるので、
お酒好きの人は注意が必要ですね。
退院する際には、
自力で何歩歩けるかが基準になる場合もあって、
この時ほど“自然に歩ける”という事のありがたさを
感じることはないでしょう。
股関節の動きを良くするのにまず手っ取り早いのは
大股で歩く事。
骨盤の開き具合も良い感じになるし、
歩幅が広がる事で脚の筋肉もしっかりと使われます。
しばらくしてそれに慣れてきたら、
今度はあえて小股にしてみましょう。
持っている力を毎回すべて出し尽くすのではなく、
あえておさえることで力が体内に保たれます。
“今できる精一杯”もこの時だけはセイブしてみるのです。
良い例は着物でしょう。
かたち上、特に女性は着物を着ると足回りが窮屈になりますね。
けれどあえて、小股状態を強いられていることで
骨盤や股関節の若さを保つと言われています。
抑制を効かせた状態に慣れてくると、
いざ解除されても自力で抑制力が働いて、
イスに座った時でも膝と膝がキュッ!と閉じて
程よい緊張感が効いているからだになるはずです。
明日は武術をやっている人はご存知の
“ナンバ歩き”について! |