| 第506回香港の相続税撤廃の反対者は香港の大富豪?
 中国大陸の大富豪が毎年決まったように没落することは
 前回ご紹介しました。
 毎年発表される中国の長者番付は、
 一部の政府と強い結びつきのある人以外、
 かなり流動性が激しいという
 特徴があるのはこのためです。
 中国大陸の大富豪が下手に中国大陸で財産を保有していると、
 そうしたリスクがあります。
 中国大陸の大富豪たちがこぞって、
 遺産税(相続税)がなくなる香港に
 財産を移動させることは
 十分に考えられることです。
 そうなれば、香港にとっては
 かなり大きな経済効果が期待できます。
 中国大陸にとっては
 単純にいえばマイナスとなりますが。
 それによって、単純に香港の株式市場が
 活性化するわけではないと思いますが、
 好影響は多かれ少なかれ
 生じることになるでしょう。
 この影響を定量的に現時点で
 予測するのは難しいですが、
 ここでは、若干こぼれ話的なものを
 ご紹介いたします。
 香港の相続税撤廃決定を受けた後の世論調査で、30%の人が相続税の撤廃に
 反対したということです。
 しかも、この反対者の中には
 ほとんどの香港トップスケールの富豪が
 含まれているといいます。
 相続税撤廃について、唐英年(ヘンリー・トン)・香港財政長官は、
 香港の海外投資家に対する吸引力を増し、
 より多くの人々が安心して
 香港で資産を保有できるようにし、
 香港に企業や人材を吸収し、
 より多くの資産管理業務の
 香港における発展を促し、
 就業機会を増やし、
 香港を競争力ある国際金融センターにすると、
 撤廃の理由を説明しています。
 常識的に考えて、相続税撤廃で最も恩恵を受けるのは大富豪です。
 それでも、この措置について、
 多くの大富豪たちが反対している、
 ということです。
 大富豪が反対しているとの報道の中には、
 反対の理由には全く触れられていませんでした。
 理由が分からないからこそか、中国大陸では、
 「相続税撤廃に反対する香港の大富豪たち」と題して、
 かなり興味深そうに論述する記事が多くみられました。
 その理由を分析するものも多く、
 次回はそれをご紹介しましょう。
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