第428回
切り上げ後3カ月でわずか0.3%の元高に苛立つ米国
10月15−16日の2日間、
北京市郊外の香河で開催される
第7回 20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)では
人民元問題は、進展するかどうかに関わらず、
議論になるはずです。
中国の貿易黒字は05年も拡大の一途であること、
05年7月に行われた切り上げが
わずかに2%程度だったこと、
また、切り上げと同時に見直された
為替レートの変動メカニズムが
ほとんど機能していないことなど、
相変わらず莫大な貿易赤字に悩む
米国などにとっては不満の種です。
元切り上げと同時に、
為替レートの変動幅を
今後1取引日あたり上下0.3%とすると
発表されたにもかかわらず、
元切り上げ後10月までの約3カ月、
1取引日あたりの変動幅は、
平均して信じられないことに
わずか0.005%(の人民元高)にとどまっており、
最大の変動率があった取引時でも
0.1%を越えたことがありません。
トータルで見ても、
この3カ月間でわずかに0.3%ほどの元高。
これでは、中国当局が為替介入を続けており、
実質的に、元切り上げ及び
それ以前の為替レート変動メカニズムと
何も変わらないといわれてもしょうがありません。
日本でもよく言われているように、
外貨準備高が今後どのように有効に使われるかが、
中国の経済政策にとっても、貨幣政策にとっても、
人民元切り上げの動向にとっても
重要になってくるのは間違いありません。
中国株との関係でいえば、
QDII(指定国内機関投資家)や
CDR(中国預託証書)は、
もしかすると最も手軽な、
急増する外貨準備高への対策かもしれません。
QDIIは噂されて久しく、
今とのこと動きは鎮静化していますが、
CDRは中国移動(チャイナモバイル、0941)が
第1号になるのではないかという報道も
最近見られました。
−05年7月21日以降の対米ドル人民元レートの推移(同年10月10日まで)−
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−05年7月22日以降の人民元レートの前日比変動率の推移(同年10月10日まで)−
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