| 第321回Xデー過ぎても人民元問題は今年の大きな焦点
 連休明けからささやかれていた、5月18日、人民元の切り上げに関する
 何らかの政策発表があるのではないか
 (欧米機関投資家)との観測は、
 5月13日に、中国人民銀行の
 周小川総裁が否定したことで、
 事実上外れる見通しです。
 もともとは連休前に、5月8日がXデーだともされ、
 それが何事もなく過ぎたこともあって、
 連休明けの9日には
 かなり信憑性高く流れた18日観測ですが、
 日を追うごとに
 否定的な見解が多くなっていきました。
 中国現地でも、元の切り上げに関しては、賛否両論です。
 伝わるところによれば、
 15%程度の切り上げが
 明暗を分けるラインのようです。
 それ以下、それも数%程度であれば、
 行われる可能性も高く、
 与える影響もないことはないですが、
 限定的なものとなりそうです。
 15%以上の切り上げになれば、
 中国のマクロ経済に与える影響は
 目に見える形で危機的なものになる、
 と考えられています。
 これは国のシンクタンク部門からの見解ですので、人民元のレート調整が行われるとしても、
 どのような形にせよ、15%がMAX、
 しかもこの数値には
 遠く及ばない程度となりそうです。
 どちらにしろ、今年中に何らかの人民元に関する動きがあるとの見方は
 ますます強まっています。
 それだけ、中国においても圧力が高まっていると
 認識されているということでもあります。
 中には、
 「中国政府は、諸外国に対して、
 原則的に人民元のレート調整に関して
 行っていくことを承諾している」
 ともしています。
 今までの対米協議などを見てみると、
 レート調整を承諾しているようにも受け取られますが、
 中国現地でも、
 ここまで断定的にとらえている見方もあることは
 興味深いといえます。
 5月18日は何事もなく過ぎたとしても、今年、株式市場に限らず、
 中国のマクロ経済全般にとって、
 人民元の問題は
 大きな焦点となり続けそうです。
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