| 第313回「理解不能の反日デモ」の裏にあるもの
 5回に渡って、中国人青年の中国のウェブサイトの書き込みをご紹介しました。
 いかがだったでしょうか?
 台湾問題を中心とした内容でしたが、抗日の英雄伝を
 誇らしげに語る中国人青年に対して、
 そんなことは何も知らずに、
 軽い気持ちで「台湾独立」を
 この中国人青年に漏らした台湾女性。
 両者のギャップの大きさには
 いろいろと考えさせられます。
 まず、この中国人青年は中国大陸の人間を代表するような
 考えの持ち主なのかどうか、
 これは当然そうだとは断言できません。
 ただ、抗日の英雄伝について、
 「私が彼女に、
 ほかの大陸から来た人に聞いてみることを
 あえて薦めたのはなぜか?
 誰に聞いても、絶対の自信があったからだ」と、
 この青年は指摘します。
 もしかしたら、言説全体には若干の極端さはあるかもしれませんが、
 中国大陸の多くの人々、
 特に20−30代という若い世代に共通する考え方を
 示しているかもしれません。
 いい悪いか別として、
 また、愛国主義教育とのかかわりは別としても、
 それは事実なのです。
 事実は事実として受けてとめる必要があります。
 また、同じように、この台湾女性が、現在の台湾の人々を代表しているとは言えません。
 ただし、やはり同じように、
 少なくとも大陸と台湾の、
 少なくない違いは反映されているかもしれません。
 そして、この台湾女性に代表されるような考え方は、
 現在の日本にも同じような感覚が
 存在しているとはいえないでしょうか?
 日本が過去に中国を侵略したことは知っている、それでも今回のデモは暴力や破壊行為など、
 あまりにも行き過ぎで理解不能、というのが、
 多くの日本人の一般的な共通認識ではないでしょうか?
 でも、この中国人青年の言説に
 代表されるような考え方が、
 現在の中国にあったとしたら、
 そして、それが日本人の多くの人が
 理解していたとしたら、
 今回のデモに対する見方も
 変わってくるかもしれません。
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