| 第265回盛大の買収攻勢に新浪が合法的「新株予約権の発行」
 急速に普及する中国のオンラインゲーム、関連産業も急成長する中で、
 盛大互動娯楽(盛大網絡、SHANDA)も急成長、
 中国オンラインゲームの第一人者として、
 確固たる地位を築き上げています。
 2004年に米ナスダックに上場したときは
 非常に騒がれましたし、
 同社の陳天橋・董事長は一躍時の人となり、
 自社持ち株などの資産価値から考えれば、
 中国最大級の富豪となったものです。
 その盛大網絡が、日本のYahoo!とも言うべき、
 中国のポータルサイト最大手
 「新浪網」を運営する
 新浪公司(SINA)の株式を買い進め、
 最新の報道では19.5%を保有するまでになって、
 新浪公司の筆頭株主になったわけです。
 前回もお話したように、
 日本のニッポン放送をめぐる
 ライブドアとフジテレビの関係に
 そっくりな展開となっており、
 新浪公司自身が
 「新株予約権の発行」という対抗措置を
 講じ始めています。
 日本では、ライブドアが新株予約権の発行差し止めの仮処分を
 申請する事態となりましたが、
 新浪公司では、制度として認められている
 ポイズンピル(毒薬条項)を活用、
 全く問題なく、合法的に
 「新株予約権の発行」による対抗措置を発動しています。
 もっとも、日本の場合と違い、現在までのところ、
 盛大網絡と新浪公司は
 非常に友好的に協議を進めているようです。
 新浪公司としては、
 盛大網絡が筆頭株主になること自体は歓迎、
 支配権を獲得することには
 反対という立場を発表しています。
 新浪公司が発動したポイズンピルは、盛大網絡が今後、
 株式0.5%以上を買い増した場合に
 新株予約権の発行を行使できるというものです。
 法的に認められた行為であり、
 当然、盛大網絡側からの反発は、
 表面的にはありません。
 これによって、盛大網絡は、
 新浪公司の51%株式獲得どころか、
 現実的には19.99%の獲得が限界となります。
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