第163回
QFIIのA株投資が顕著、テスト終了でさらに加速か
今年に入って、本土市場の低迷がより深刻化、
株価もどんどん値を下げました。
しかし、A株は総じて、今までが評価されすぎ、
とも言われていましたので、
今年に入ってからの株価の一段の値下がりは、
むしろ逆にリスク減退につながったようです。
QFII(指定国外機関投資家)による
A株投資が本格化したのは、
「ようやくいい具合に株価が下がった」、
つまりリスクが軽減された、
と多くのQFIIが考えたからにほかなりません。
8月末の報道によれば、
中信基金管理有限公司が発表した研究報告で、
QFIIによる中国本土A株市場への投資総額が、
今年初頭の40億元から今年6月末には
100億元までに増加したことが明らかになっています。
前回、9月までのQFIIに認可された
外資金融機関21社の累計投資総額が27.25億ドルと
紹介しました。
6月末時点の投資総額は若干不確かですが、
仮に20億ドル程度と推定すると、
100億元というのは12億ドル程度、
限度額の60%ほどとなります。
パワー全快、とまでいかなくとも、
ようやくQFIIがA株投資を本格化し始めたのは
間違いなさそうです。
QFII導入のテスト期間が終了したと判断され、
全面的な実施が宣言されれば、
以下のようなことが考えられます。
1.QFIIの認可基準の緩和
2.既存あるいは新規QFIIの投資限度額の拡大
特にテスト段階におけるQFIIの投資限度額は
50億ドルに設定されているといわれていますので、
テスト段階に目処がついたと判断されれば、
現在、27.25億ドルの限度額が、
一気に倍増することも考えられます。
これが実現すれば、
より多くの資金がA株に流れ込むことになります。
そうなれば、以前に紹介したように、
9月13日の国務院常務会議で、
市場救済策について言及されて以来、
復活傾向にある中国本土市場にとっては、
大きな追い風になります。
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