新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第73回
人のモノマネはするな!

もう1年以上前のことになりますが、
三全公寓のロビーで
邱先生に思いっきり怒鳴られたことがあります。
それは当社に新たに来た日本人スタッフの
今後について相談した時でした。

当時の私は、工場の生産管理で悩んでいました。
まだ北京に来て1年も経っていなかった頃です。
店舗の運営や出店準備に関しましては、
多少の問題はあったにしろ、
何とかやっていけるだろうと思っていました。
しかし、こと生産管理に関しては全くの未知の世界であり、
当時のパンとケーキの日本人職人さんにまかせっきりでした。

出資会社である東山堂ベーカリーから派遣されてきた
日本人職人さん達は、
異国の地で言葉もままならない環境の中、
本当に良く頑張っていただいていました。
しかし、パン・ケーキの納品先が増え、
計画的な生産管理の導入が必須になってきたのですが、
パン・ケーキを作ることと、
新たな仕組みを導入することは
全くの別物であることは私にもすぐにわかりました。
それでも「何とかお願いします」と
半ば強引に進めていったのですが、
生産現場は混乱をきたすばかりで、
次々とトラブルが続出しました。

そのような時に、
新たに邱先生の元で勉強がしたいという日本人の若者が、
当社に派遣されてきたのです。
彼は日本の大学を卒業した後、
すぐに中国に渡り語学留学をしている最中でした。
従って中国語の日常会話は問題なかったのですが、
日本での社会人経験がないことを非常に気にしているようでした。
これは渡りに船と、邱先生に
「H君を東山堂ベーカリーさんへ生産管理を習得する為に
研修派遣させていただいてもよろしいでしょうか?」
と尋ねました。
それが冒頭で述べたように、邱先生の逆鱗に触れたのです。

「なんで何の努力もせず、
安易に人のモノマネをしようと考えるのですか!
まずは、自分たちで創造することを考えなさい。
マネをするのは簡単だけど、
マネした先を越すことは絶対にできないよ。
それじゃ何のために中国でやっているかわからないでしょ!」
私もいきなり怒鳴られたのでちょっとびっくりしましたが、
一緒にいたH君はもっとびっくりしたと思います。

邱先生に言われていつも初めて気が付くのですが、
まったくその通りでした。
私は自分で考えて物事を進めるのから逃げていたのです。
この後は本当に大変でしたが、
多くの方から素晴らしいアドバイスをいただきながら、
より良い企業作りに今も邁進しています。


←前回記事へ

2007年8月14日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ