新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第72回
学生食堂からスタートして大きくなった企業

三全公寓から車で20分ほどの場所に、
ヤミヤミ学生という食品会社があります。
なぜ私がこの会社に興味をいだいたかと言いますと、
北京のセブンイレブンで売っている多くのファーストフードが、
このヤミヤミによって提供されているからです。
日本を代表するファーストフードである
“おにぎり”を初め、
サンドイッチやお惣菜
更にはレンジで温めれば食べられるパスタまで製造しています。
また気になったのが、
この“ヤミヤミ学生”という会社名です。
なぜ学生が社名につくのか、興味が尽きません。

そこで、早速アポ取りの上手い当社のスタッフに、
面談を取り付けるように指示しました。
数日後に、仕入部の部長と面談をすることになりました。
面談に指定された時間は早朝の8時でした。
やけに早い時間だなと思いましたが、
8時前に到着した時には、
すでにオフィスも活気付いていました。
このヤミヤミでは工場のスタッフだけでなく、
オフィスのスタッフまで朝型のようです。
当社の会社紹介などを簡単に行い、
今後、何らかの形で
協業をしていきましょうと話がある程度まとまった後は、
業界話や日本についての話など雑談が続きました。

このヤミヤミ、まだ社歴は浅く、
5年ほどしかありません。
しかし、工場は本当に立派で、
敷地面積だけでも優に2万uはありそうな規模です。
しかも、近いうちに更に別の場所に、
より大規模な工場を稼動させる予定だと聞きました。
商売はかなり順調にいっているようです。
先方の部長さんと話をしているうちに、
なぜ会社名に“学生”が付くのかがわかりました。
この会社の始まりは、
現在の社長が北京大学の
数多くある学食のひとつを受け持ったことでした。
いわゆるケータリング業がこの会社のスタートなのです。

この学食のケータリングが大変な評判で、
あっという間に北京中の大学から声が掛かり、
学生食堂の運営を営むようになったそうです。
その後は、病院や企業のケータリングも始め、
北京でトップシェアを誇るまでになり、
現在に至るとのこと。

私がヤミヤミを訪問して思ったことは、
北方の中国人には珍しく、
温和な感じのスタッフが多く、
オフィスの雰囲気もなんだか安心できるといいますか、
非常に落ち着く空間なのです。
このような素晴らしい会社をつくった社長に、
近いうち会って話ができればと思っています。


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2007年8月11日(土)

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