新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第64回
商人の国 中国

“中国は皆が商人の国だ”
という話を耳にしたことがある方も少なくないでしょう。
私も中国で仕事をする前から、この言葉を目にし耳にもしました。
但し、この言葉はあくまで
外国人が中国人を見て感じたことを表現したものであって、
当の中国人は
外国人からそのように言われていることは知らないだろう
と思っていました。

ところがこれは全くの私の思い込みでした。
何と中国人同士の会話の中でこの言葉が出てきたのです。
当社では実験的に、
地方の食品専門学校の卒業生を
パンやケーキの職人として採用しています。
その際に人材派遣会社が仲介となります。
そこの中国人総経理が、
当社の中国人スタッフに言ったのです。
「あなたも中国人だったら分かっているでしょ!
学校の先生であれ、何であれ、みんな商人なんだから!」
中国人スタッフも笑いながら何度も頷いていました。

また、“すべての行動にはすべて商人としての理由がある”
というのも、
この中国人総経理のビジネスマンとしての
信念のひとつとだと言えます。
直接的なビジネスとは全く関係がない場合でも、
“なぜわざわざ空港まで車が迎えに来たのか?”
“なぜ夕食に誘うのか?”
“なぜ観光地めぐりに誘うのか?”
それがただの先方の好意だとしか
受け止める事ができないのであれば、
ただのお人良しだと言い放ちます。
また、その中国人総経理の推理を聞いていると、
本当に中国で仕事をしていく自信を失うはずです。
なぜなら、ちょっとした出来事、話の端々から
人の心理を読む力がなければ、
とても理解できないほど、裏の裏を読んでいるからです。

私も聞いているそばから
「いやー、そこまでは思っていないでしょー」
と言いたくなる推理ばかりです。
しかし、話を聞けば聞くほど
“いや、これはその通りかもしれない”
と思えてくるほど、
前後すべての行動や出来事が合致したりします。

例えば
「なぜ先方(学校長)が私を観光地めぐりに誘ったのか?」
中国人総経理の答えはこうです。
「先方が私と荒木の商談の機会を奪いたかったから」
真実はわかりませんが、
なるほど、その通りだったかも知れません。


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2007年7月24日(火)

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