|  第56回面子って一体何なんでしょうか?
 中国ビジネス系の本を読むと、ほぼ必ずといって良いほど“面子”についての記載があります。
 「中国人は面子を重んじるので、
 面子を潰さないように気をつけましょう」だとか
 「日本人の考える面子より、
 中国人の考える面子はより重いものである」などのように
 “中国では絶対に相手の面子を潰してはいけない”
 というのが定説になっています。
 私個人の意見としては、中国人にとっての面子の大切さも
 日本人にとっての面子の大切さもはっきり言って同じです。
 私も以前はそうだったのですが、
 中国人の面子を潰すことを恐れすぎて
 言いたいことも素直に言えないなど、
 必要以上に敏感になっている人が多いような気がします。
 確かに文化・習慣の違いから
 “そんなつもりではなかったのに、相手の面子を潰してしまった”
 ということは起こります。
 しかし、これはある程度、
 互いの文化・習慣が理解できるまでは避けようのないことです。
 私も中国人に面子を潰されたことは何度もあります。
 但し、ほとんどの場合は相手には悪気は無く、
 私が面子を潰されたと思っていることにすら気がついていません。
 捉え方が違うだけなのです。
 日常会話の中で“面子”の使用頻度が日本より高いことは事実です。
 「その件については私を必ず通すように。
 でないと面子が立たない」
 「みんな知っているのに私だけ知らない。面子が潰された」
 などなど。
 中国での面子という言葉は
 日本語の面子より意味深いのかもしれません。
 だからと言って、相手の面子のことを気にするがあまり、
 凝り固まってしまうのも全くの認識違いだと思います。
 もっと自然体で“面子”に対して接していけばいいのではないでしょうか。
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