|  第55回中国式マナーのご紹介 その3
 日本の常識が異国ではマナー違反だったりするものです。日頃の何気ない行いが
 他国の方には非常識に映ることもあるでしょう。
 以前にも中国式マナーを紹介しましたが、
 新たに幾つかご紹介したいと思います。
 やはりどこの国でも、マナー違反がもっとも目に付くのは食事の時ではないでしょうか。
 欧米人などは、
 日本人がズズズッと音を立てて
 ラーメンやそばを啜るのを見ると
 「品が無い」などとビックリするようです。
 けれども日本人にとってはそれは当たり前、
 むしろ粋に見えたりします。
 中国人にとっては
 白酒(アルコール度数の高いお酒)がそれにあたります。
 中国の人々は物凄い音を立てて白酒を一気に飲み干します。
 ズズー!と掃除機で吸引するかのような、大きな音を立てます。
 これはラーメンやそばと同じで
 “音を立てる=美味しい”という図式になっているようです。
 但し、香港や台湾の人は音を立てなかったりと
 地方によって違いますので、
 宴会の状況に応じて合わせることができれば相当の中国通です。
 また、乾杯をする時に日本と同じようにグラスを“カチン!”と合わせるのですが、
 その時注意しなければならないことがあります。
 相手がお客様や目上の人であれば、
 グラスの淵を相手の淵より下に合わせて
 乾杯しなければいけません。
 大事なことですのでもう一度言います。
 相手のグラスの下の方に自身のグラスをあてるのです。
 従って、乾杯の時は
 テーブルの下までお互いのグラスが下がっていく
 なんてこともあります。
 儒教の流れからなのか、
 中国では日本以上にお客様や目上の方を敬います。
 また、乾杯は大人数であろうと基本的には1対1で、あちらこちらで交わされます。
 大切なのは、乾杯を先方から持ちかけられて乾杯した後、
 更に乾杯返しをしなければならないことです。
 5人のお客様がいるとすれば、最低10回の乾杯は必要です。
 お酒が飲めないことは問題ではありません。
 但し、途中から飲まないのは
 これもマナー違反まではいきませんが、ルール違反です。
 飲まない時は一貫して飲まない。
 飲むときはコントロールしながら最後まで飲む。
 これが大切です。
 また、料理に関しては、目上の方やお客様より先に箸をつけない
 という点に気をつければ、外国人ということもあり、
 特に注意する必要はありません。
 異国のマナーやルールを守りながら、
 楽しく食事ができれば最高ですよね!
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