新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第34回
恐怖政治による経営

中国に来て3年、
多くの中国人、台湾人経営者の方々と
交流する機会を得ることができ、
数多くの勉強をさせて頂きました。

私が気になったことの1つに“恐怖政治の勧め”があります。
もちろん、すべてではありませんが、
非常に多くの経営者がこの恐怖政治を実践されており、
中国における有効な経営手法の1つとして
私もよく勧められます。
この恐怖政治、
日本で俗に言われているワンマン経営とはちょっと違います。
トップダウンの経営者であろうとも、
気持ちとしては
“できるなら目標や夢を共有して皆で成功を掴みたい”
と考えている方が多いのではないでしょうか。
ちなみに私もその1人です。

私が勝手に恐怖政治と呼んでいる経営手法は
それとは異質であり、強引に要約すると次の通りとなります。

1.自分、または親族以外の人間は絶対に信用しない
2.罰則により、社内の秩序を構築する
3.社員同士を監視(密告)させる仕組みを構築する
4.極端に社員の裁量を少なくし、すべてを経営者に集約する
5.業務に関係ないものは、すべて排除する

これらの事を実践している会社には、
飛ぶ鳥を落とす勢いで成長しているところが
幾つも含まれていますし、
中国の歴史や文化と照らし合わせてみると
利にかなっているのかもしれません。
但し、この恐怖政治、皆さんもお分かりかと思いますが、
精神的にかなり疲れるものだと思います。
出社と同時に携帯電話を回収したり、
固定電話に鍵箱を付けて着信しかできないように加工するなど、
とにかく徹底しています。
こんな事を言っていると、
中国での成功はおぼつかないのかもしれませんが、
私は、まだ当面は社員との交流を大事にし、
共に苦難を乗り越えていきたいです。
そうでないとストレスが溜まるばかりか、
仕事の楽しみが半減してしまいます。

いや、本当に考えが甘いのかもしれませんが。


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2007年5月15日(火)

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