新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第11回
人は見かけによらない?

“人は見かけによらない”と言う言葉をよく聞きますが、
この言葉は中国においては、
特に肝に銘じておいた方が良いと思います。
今、私が働いている北京では、
その度合いはかなり低くなりましたが、
成都では頻繁に、この言葉が思い浮かぶ出来事がありました。

最初に衝撃を受けたのは、
成都赴任の二日目に会った両替商です。
どうみても浮浪者にしか見えないおじさんが、
ボロボロの紙袋から人民元の札束を出したのです。
私が渡した日本円も
無造作に紙袋に放り込んで去っていきました。
かなり不安になりましたが、何も問題は起きませんでした。

また、ある日には、
これまたボロボロの服に髪はボザボザ、
室内用のスリッパみたいな履物をはいた50代ぐらいの男性が
私を訪ねてきました。
何の用だと怪訝に思いつつも話を聞いてみると、
当社の店舗が入っている1階部分の
空き物件の約700坪を借りたいので、
大家を紹介してほしいとの頼まれごとでした。
よくよく聞くと、
スタッフもよく知っている大型火鍋屋チェーン店の
オーナーと言うではありませんか。
話しを終え外にでると、
ベンツのS600が無造作に停めてあり、
あまりにミスマッチな風景を演出したその男性は、
自分でベンツを運転して颯爽と去っていきました。

やはり、経済成長が非常に早いこの中国では、
また異常なスピードで金持ちになる成金も数多くいるのです。
見た目が伴わないのは、
身なりまで気が回らないのか、
はたまた苦労した生い立ちを忘れない為か、
理由はさまざまかと思いますが、
その様な方が多いのは事実です。

以降、私は初めて会う客先の社長を訪問した時は、
ドア先から来る人影があれば
自然とソファーから腰が上がるようになりました。
例えその人影が、清掃員にしか見えなくても
体は自然に反応してしまいます。
見かけで人を判断して、
上手くいく話しもダメになることの無いよう注意しましょう!


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2007年3月22日(木)

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