新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第6回
ビジネスで大事なのは新鮮感

ビジネスを行うにあたっての心構えについて、
邱先生から何度も聞く言葉があります。
それは「新鮮感」です。
私自身が言われたこともありますし、
邱先生が他のマネージャーに対しておっしゃっているのを
傍で聞いていたこともあります。
それほど邱先生は頻繁にこの「新鮮感」という言葉を
ビジネス上で多く使用されます。

ある日、邱先生と幹部一行で
グループが経営するナイトクラブに行った時の話です。
このナイトクラブは1999年に、
邱先生が当時の成都市政府から、
「若者が楽しめて集まるような施設を作ってほしい」
と頼まれたことから始まった企画です。
成都の中心地の歩行者天国にあり、
当時最新の設備を兼ね備え、
夜のピークタイムには生バンドがライブをし、
ダンスフロアーもある大規模なものでした。

オープン当初は大変な盛況だったようですが、
私が初めて行った頃には
それほど盛り上がっていないようでした。
当時のマネージャーは日本人の青年で、
23歳の時にこのナイトクラブのマネージャーに抜擢され、
3年以上にわたって孤軍奮闘していました。
2004年、邱先生が9月、10月と
成都に続けていらっしゃいました。
10月にいらっしゃった際、
邱先生はナイトクラブに入って30分も経たないうちに、
席をお立ちになりました。
通常は最低でも1時間以上は楽しまれるので、
一緒にいたグループの幹部も
不安な面持ちで邱先生の後に続きました。
歩いている間一言もなく長いこと無言のままです。
私も青年もお互いに顔を見合わせ、
不安な気持ちで後についていきます。

すると突然、邱先生が立ち止まって振り返り、
青年に向かって大きな声で怒鳴りました。
「この店、潰れるよ!」
びっくりした私たちにもう一度言いました。
「この店、潰れるよ!
だって9月もその前も何も変わっていないじゃない。
毎回同じようなライブばかりやって。
こんなんじゃ、お客はついてこないよ!
商売はそんなに甘くないですよ!」
青年マネージャーは相当堪えたようです。

でも邱先生の言われていることは
完全に核心をついていました。
なぜなら私たちもそう思っていたからです。
でもアイディアがどうしても浮かばなかったのです。
当然、その夜は
青年マネージャーのやけ酒に一晩付き合いました。

数ヵ月後、努力虚しく
ナイトクラブは邱先生の指示によって閉められてしまいました。


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2007年3月10日(土)

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