第48回
98歳の画家−「竹林の中の笛吹き」
前回、ご紹介した金山農民画家、
阮四さんの話の続きです。
阮四さんの画を見て
ものすごく感動してしまった私は
一度会ってお話がしたく、
早速友達の農民画家に
阮四さんに会えないか尋ねたのですが、
残念な事に阮四さんは
2005年の1月7日に
亡くなられたとのことでした。
享年98歳でした。
阮四さんは
13歳の時から切絵、織物、刺繍を習い
ごく普通の農民生活を送っていたそうです。
そして彼女が農民画を習い始めたのは
なんと72歳になってからのことでした。
それまでに培った
経験豊富な切絵、織物、刺繍のアイデアを
農民画に取り入れ、
彼女独自の素敵な農民画を
作り上げることができたのです。
彼女の処女作である「竹林の中の笛吹き」は
すぐに沢山の人々の評価を得て
上海市で行なわれた
「江南之春」という有名な美術大会で
1等賞を貰いました。
※「江南之春」は中国民間芸術の中では大きな大会で
25年の歴史があります。
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阮四 「竹林の中の笛吹き」
※模写 陸学英
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70歳過ぎのおばあちゃんが
画いた画なのですが
この画はとてもとても若々しく感じられます。
前回、ご紹介した画もそうですが、
色使いがとても鮮やかで
おもしろい感覚で画かれています。
見ていてこんなに楽しくなる農民画は
なかなかありません。
しかしこの画は
阮四さん本人が画いたものではなく
お孫さんの陸学英さんが模写したものです。
ちなみに、前回紹介した「養兎」は
阮四さん本人が画いた貴重な画です。
苦労の末、やっと手に入れました。
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