医師・豊岡憲治さんの嘘のようなホントウの話

第719回
給料を全部使ってしまい、それでもまだ足りない

バイクに乗っていて事故にあい頭部外傷を負い、
その後から金銭管理が全くできなくなった人のCT写真を見ていて、
どこに問題があるのだろうと思いました。
確かにCTで指摘されている部分はともかく
もっと広範囲に問題があると思ったのです。
そこで脳挫傷と軸索損傷をマッピングしてみました。
図1、図2、図3がそれです。

図1

図2

図3

CTでは前頭葉だけが問題になっていました。
しかし、マッピングした図を見る限り、
前頭葉はもちろん右後頭葉や脳底部にも
脳挫傷の反応があるのです。
その他に脳の内部の海馬、扁桃体、黒質、
赤核にも脳挫傷などの反応があるのです。
扁桃体の損傷は人付き合いとか
人に合うことを避けるようになります。
黒質はやる気がなくなっていきます。
赤核は身体の中心部に鉄の蓄積をおこします。
視床の前腹側核、背内側核、視床下核にも損傷はあり、
鬱気味とか心配性とかがでていると思います。
損傷された部位でどこの部位がもっとも
ひどくダメージを受けているかというのを示したのが
図4と図5です。

図4

図5

図4の青い部分、前頭葉内側の部分ここが
強くダメージをうけていました。
ここがダメージを受けると指示待ち症候群というか、
何をするにも自分で決定できない傾向があります。
指示された仕事はできるのですが、
指示されないとうろうろする傾向があります。
ただぼお〜っとテレビを見ていて、
一日なにをするのでもなく過ごしている人もいます。
また、この部位の働きが悪いと
問題の金銭管理ができなくなるのです。
あればあるだけ使ってしまい、
後先を考えない傾向がでるのです。
図5の脳底部の眼窩回の働きも極端に低下しています。
ここの働きが悪いとイライラし、
かっとなりやすい傾向があります。
自分の目標設定がうまくできないことにいらだつし、
そのようなことを指摘されるといらつくようです。

このような状態にたいして、
適切に脳を治療していくことができないことが
一番の問題なのです。
脳挫傷を治し、軸索損傷を治し、脳を治療していく事で
少しずつ問題となることが治っていく可能性はあるのです。
交通事故などで脳の損傷を受けた時、
治るか治らないかは運を天に任せるような状態では、
なんとも心もとないと思います。


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2008年9月5日(金)

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