医師・豊岡憲治さんの嘘のようなホントウの話

第33回
副鼻腔炎と長〜く付きあっているのです

70歳の人ですが、もう40年ぐらい副鼻腔炎が良くならず、
手術も数回行いましたが、完全に良くなることはなく、
悪化するとその都度対症療法をしてきたというのです。
前額部の重苦しさがあり、
これをなんとかしたいということでした。
ほとんど何もない部屋で寝ているので、
電磁波を浴びてはいませんでした。
副鼻腔に感染している化膿連鎖球菌などには真武湯、
非定型抗酸菌には当帰建中湯。
それから、局所の感染が治らない所にはほとんど
鉄の大量の沈着の反応があります。
鉄が過剰だと細菌が増殖しやすいのです。
この人の場合は八味丸が鉄の排泄に効果があります。

副鼻腔炎の所は血流障害があり、薬が到達していないのです。
その血流障害の原因を調べてみると、
上着や下着のタグ、洗濯表示、ズボンのベルト、
ズボンの前ホックなどでした。
ベルトを変え、タグや洗濯表示を切り取り、
ズボンの前ホックはハズシテおくと
副鼻腔炎の血流障害はよくなるのです。
こういうことを知らない為に
折角服用している薬も効いていなかったのです。

一週間後に来て、化膿連鎖球菌の反応はなし。
非定型抗酸菌の反応があり、今度効く薬は黄耆建中湯です。
アルミの大量の蓄積があり、それを排泄するのは茵陳五苓散です。
真武湯は胃腸にも効果があるので、そのまま投与しました。
その後風邪を引いて、風邪の処方を出して
風邪が良くなってからまた副鼻腔炎の治療を再開しました。

こういう長引く感染症は複合感染が起きているので、
感染している細菌をしらみつぶしにつぶしていくのです。
複合感染している細菌はお互い縄張りをきちんと守っています。
そして細菌同志を、まあまあなあなあと仲介して
お互い縄張りを守るようにしている細菌がいるのです。
それが少量感染している破傷風菌なのです。
破傷風菌を治療すると細菌同志は縄張りの境目がなくなり、
お互い争い、1番強いものが残ります。
手っ取り早く治療しようと思うと先ず破傷風菌から治療すると
うまく短期間に片が付く時があります。

この仲介役の破傷風菌を治療する漢方薬として
一番使われるのは桂枝茯苓丸です。
風邪を引いた後また化膿連鎖球菌が反応してきて、
これは桂枝加葛根湯で効果がありました。
長引く感染はすい臓からインスリンが出過ぎていることが多いので
すい臓に感染している細菌も治療する必要があります。
胃腸とすい臓には黄今湯が効きました。
ここまで来て、やっと前頭洞、上顎洞などの
副鼻腔の感染は治りました。3ヶ月かかりました。

後は鼻炎です。鼻も臓器と対応していて、
この人の場合は小鼻が胃、鼻頭はすい臓、その上は腎臓、
その上は肝臓、その上は心臓、その上は肺と対応していました。
鼻の悪い所はすい臓と腎臓の部位です。
実際のすい臓と腎臓も細菌感染していました。
すい臓には桂枝加芍薬湯、腎臓には八味丸、
脾臓のフィルター機能をよくするのに
当帰四逆加呉茱萸生姜湯でした。


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