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第88回
ハイハイ天さん、天さんデス
<今回の依頼>
○依頼人
名前:すなふきん
職業:商社員
趣味:中国株掲示板で管理人の目を盗んで無駄口を書き込むこと。
○依頼文
私が幼少の頃から祖父・祖母の家にあった置物です。
おそらく父の幼少の頃からあったものと思われますが、
祖父母も父もこの世を去り、この品の来歴を知る者はおりません。
私は中国株という恐ろしいものに手を出してしまい
<中略>
もうどうしていいかわかりません。
困窮の果てに、
何か売れるものはないかと引っ張り出してきたのがこの品です。
ご鑑定をお願いいたします。
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| 依頼品 |
○鑑定結果
依頼の品は『薩摩焼』と呼ばれる、鹿児島の焼物です。
薩摩焼は江戸時代、当時の薩摩藩主「島津氏」によって
朝鮮から連れ去られてきた李朝の陶工たちによって作られました。
薩摩焼と言ってもそれぞれの窯により色々な作風があるのですが、
依頼品はその中でも「色絵錦手」と呼ばれるものです。
時代的にはそんなに古いものではなく、
貴方のおじいさんの年齢と同程度のものでしょう。
派手で豪華絢爛の『薩摩焼』は日本人よりも
ヨーロッパで人気となり、
大量の『薩摩焼』が輸出されました。
依頼品も多分昭和初期頃にその流れで焼かれた品だと推察します。
よく見かけるいかにも大量生産的な安っぽい薩摩焼とは、
趣が違いますので、案外高値がつくかも知れません。
鑑定価格は専門外なので
一応15万円〜150万円としておきましょう。
いずれにしても、
あなたの中国株の莫大な損失を埋める額ではありません。
○結論
日本の焼物にはあまり詳しくないので、
とりあえずあなたの依頼品には芸を教え込んでおきました。
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| 依頼品(調教後) |
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