第65回
フィリピン セブに住む新華僑の生き方(2)
<前回より続き>
Kさんは、B氏からの仕事を皮切りに、
日系企業を中心に仕事を次々に受注し、
今では大きな工場を持つ若手経営者です。
彼の日本語より、私の中国語のほうが上手なので、
彼とはいつも中国語で話していますが、
大の親日家ということもあり、
今では大の親友となっています。
フィリピン人の奥さんは、
地元有力政治家(副官房長官のC氏)の一族ということで、
地元では警察、税関とのコネも非常に強く、
様々な特典を享受しているようです。
彼は、C氏に対してこまめに政治献金をしており、
現在の大統領アロヨ氏が再選した際、
セブを中心とする
ビサヤ地区からの票田のお陰で当選できたと言われており、
アロヨ大統領は、
若手政治家でもあるC氏を非常に可愛がっており、
大統領が訪日した際も、C氏は随行していました。
ある日、大統領がセブを訪れた際、
Kさんの工場を訪れたことがあります。
私も招待されたのですが、
Kさんは知り合いを出来る限りたくさん工場に集め、
大統領を迎えました。
その際、彼が私に言っていたことはいまだに忘れられません。
「高橋さん、アロヨ大統領は私の工場を訪れたことは、
きっと忘れてしまうでしょうが、
私の知り合い・友人・取引先は、
大統領が私の工場を訪れたことはきっと、生涯忘れないと思います。
それを考えれば、日頃の献金など、安いもんですよ!」
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