第2回
チャンスを敢えて見ない日本人・
見えてもチャンスを掴まない日本人(2)
<前回よりつづき>
送別会後、O君も私もしんみりしてしまって、
飲み直しに行ったのですが、
そこでO君は、酔いも吹っ飛んだかの様な勢いで
「高橋さん!Sさんの話、胸にズーンと来ました。
今決心しました。銀行を辞めて独立します!」
と言うではありませんか!
「おいおい、あれは僕に対して言った言葉なんだよ!」
と、言っても
彼は会社を辞めて独立する決心に変わりは無いようです。
それどころか、
「高橋さん。Sさんの話を聞いて何とも思わないんですか?
今がチャンスじゃないですか、一緒に独立しましょうよ!」
と逆に私を説得し始めたのです。
そしてついに彼の熱意に負けて、
二人で事業を立ち上げて独立することになったのです。
成り行きと勢いで独立してしまった結果になったのですが、
今では、Sさん・O君には大変感謝しています。
独立後しばらくはビジネスがうまくいかない時もあり、
後悔の念が頭を横切った時期もありましたが、
上海で創業した中国投資のコンサルティングビジネス事業が
順調に立ち上がってきており、
今から考えるとあの時が、自分にとってのチャンスであり、
押し切られたとはいえ
そのチャンスを結果として掴んだのだと思うようになっています。
こうした経験からも言えることは、
日本のサラリーマンは、
チャンスを見ないように見ないように、
チャンスが見えても敢えて掴まないように
行動しているように思えてなりません。
そんな消極的な人生観。
チャンスがきてもそれを果敢に掴まないような人生では、
今の世界から抜け出すことは絶対に出来ないのです。
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