第125回
気になる下落
先週末、上海B株市場が大きく下落しました。
そのほかの市場も1%前後の下落をしましたが、
上海B株の下落は6.49%程になり、
他市場の下落幅を大きく越えて下落していました。
この下落の違いは何なのか。
少し検証してみたいと思います。
まず中国本土市場全体の
下落の原因を考えて見ます。
今の時期は、A株市場の中間業績および
業績の見通しを発表しています。
そして、15日に発表された中間業績の中身が
思った以上に悪いものが多く、
失望売りを招きました。
また、朝方には
人民銀行が証券会社の資本増強に
約100億元の融資をするようだ、
との報道で好感され指数も上昇しましたが、
現在までの株式の下落により
投資家が慎重になり、好材料に少し反応しても、
悪材料により反応してしまう状況になっています。
しかし、なぜ上海B株市場だけが
こんなにも大きく下落したのでしょうか。
いくつかのうわさが市場に流れていたので、
それを元に検証してみましょう。
まず1つ目は
非流通株の問題に絡んだことですが、
B株やH株などに
重複上場している銘柄に対して、
A株の流通株主に対しては
何らかの対価が支払われるが、
B株の株主に対しては
何も支払われないというものです。
これは可能性がないとは言いきれません。
非流通株が流通株になるということは、
A株で流通させることになるでしょう。
そうすると、B株には
新しい株が入ってこないわけですから、
B株市場での売り圧力にはなりません。
しかし、A株に連動しやすいため、
これを理由に対価を支払わない
と言う理屈は通用しません。
2つ目は8月人民元切り上げ説です。
英国のフィナンシャル・タイムズ紙が
8月人民元切り上げ説をとりあげました。
これによりA株、B株の下落が続く中、
米ドルで売買されている上海B株の価値が
中国国内で取引している人々から見れば、
さらに目減りするのではないかと
不安になったようです。
中国人投資家の保有比率の高い銘柄が
大きく売られていたようです。
これらの要因が重なって、
上海B株だけが大幅な下落をしたようです。
これを中国株の終りと捉えるのか、
チャンスと捉えるのかは、皆様次第です。 |