上海、深セン市場のオープン当初から
ずっと中国株にかかわってきた人の物の見方です

第97回
ついに動き始める

5月9日の上海、深セン市場の
大幅な下げを見て、
いったい何がおきたのだ
と思った方は多いでしょう。

実は、中国当局が
中国本土株最大の懸案事項
非流通株(国有株や法人株)の
問題解決を狙った政策を
打ち出したことに起因します。

ご存知のように中国株の大半は
約4割から6割は
国や地方政府が関係している企業が
株式を持っています。
市場では流通していないため、
非流通株と呼ばれています。

これが将来大量に市場に出回り、
一気に需給悪化を招き、
株式市場が下落するのではないか
といった懸念が従来からあり、
上値を抑える結果となりました。
そして、過去何度か
非流通株の放出の話が出るたびに、
本土株市場は下落していました。

今回はその問題解決のために
A株市場の一定の基準を満たした4社を
モデルケースとして、
投資家に配慮した形で
流通させていくと発表しました。

本来は問題解決の政策ですので、
歓迎すべきことなのですが、
意図がうまく伝わらなかったために
従来の国有株放出と同じように捉えられ、
大幅な下落を招きました。
ただし、モデルケースとなった
4社の株価は上昇し、
非流通株の問題解決が
歓迎されることを証明しています。

そして、昨日モデルケースの第一弾として、
改革案が提示されました。
それによると、流通株主は
非流通株を流通させることを
承諾する代価として、
1株につき0.3株と
0.8元の現金を獲得できるという案を
提示しました。

これは比較的好意的に
受け止められました。
また、新規株式公開の審査が
ひとまず中止されるとの話が伝わったことも
下げ止めた要因となりました。

今後も非流通株については
試行錯誤を繰り返しながら
様々な方策を出してくるでしょう。
また、過去に例を見ない方法を使うため、
投資家が戸惑ってしまうことも
多々あると思います。
しかし、これらの政策は
必ずうまくいくとは限りませんが
株式市場をより良くしようとする
政策であることは
間違いないと思います。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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