「骨董ハンター南方見聞録」の島津法樹さんの
道楽と趣味をかねた骨董蒐集の手のうち

第66回
商品学(インドネシア編)
5. 消えてしまった仏教―
仏像・ヒンドゥー神像

インドネシアは人口二億六千万人の
世界最多のムスリムを抱える国である。
この国の仏教人口は
恐らく統計的には記録できないほどの数だろう。
しかし嘗てはこの国でも仏教が盛んであった。

インドネシアのジャワ島には
有名なボロブドールの仏教遺跡があり、
東南アジア四大仏教遺跡の一つとも言われている。
8,9世紀に建立されたもので、
高さ25メートル、底辺の一辺が140メートルほどの巨大なものだ。
階段状ピラミッド型の特徴ある大乗仏教寺院である。
このような仏教遺跡を建造する宗教的エネルギーは
仏像やそれを装飾する法具・装飾品などに
すばらしい美術品を生み出す。
さらにスマトラ中部パレンバンには
このボロブドールより古い7世紀頃の
シュリビジャヤの仏教遺跡がある。

インドネシアの古代の仏像は
時々世界的なオークション会社の
東南アジア美術展に出品されるが非常に高価だ。
2004年秋のアジアン・フェアーに
8,9世紀のシュリビジャヤ青銅仏が出品されていて、
25〜30万ドルと表示されていた。
インドネシアにおけるシュリビジャヤ美術は非常に貴重だ。
僕など30年近くインドネシアの各地をうろついているが、
いまだにシュリビジャヤやボロブドゥールの青銅仏など
買いつけたことがない。
銀行家のチャンさんには
幾度か厳重な金庫の中から取り出して見せてもらったが
結局商談には至らなかった。

ところがここだけの話だが、
タイではシュリビジャヤの仏像が比較的数多く発見されている。
シュリビジャヤ王国の都はスマトラ中部、
インドシナ半島側パレンバンにあったとされているが、
実はタイのチャイヤにあったかもしれないといわれているのだ。
そんな関係でタイから同時代の仏像が発見される場合がある。

さらに驚くべきことに
僕は二十数年前フィリピンのミンダナオ島において
シュリビジャヤの仏像を入手したことがある。
きっと海洋国家である7,8世紀のシュリビジャヤの人たちが
船に積んであちこち回っていたのだろう。
そんな仏像がひょこっとしたことで
値打ちに入手できるチャンスがある。
場所を変え、仕入れ地を発見して売り場を考えると
この世界はまだまだビジネスになる。

 

ヒンドゥー神像10世紀ガネーシャ
(カンボジア)

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