Qさんの本を読むのが何よりスキ
という戸田敦也さんがQライブラリーのガイド役をつとめます

第243回
株を買いたい気持ちにさせられた『邱永漢の株入門』

私が『邱永漢の株入門』に出会ったのは
昭和58年の11月30日のことです。
上野駅構内のキオスクに並べれているのを見つけました。

当時、私は新日鐵の千葉県にある君津製鉄所の
労務の課長をしていました。
当時、鉄鋼生産は低調で、
新日鐵を代表する最新鋭の君津製鉄所でも、
人が余っていました。
新日鐵の関連会社にアルミの製造をしている
スカイアルミという会社がありますが
そこの深谷の工場から人を派遣してくれないか
という依頼が舞い込みました。
結構な話だというので、派遣する人たちを選ぶ一方
工場の作業内容や宿舎の状況がどういう具合か
下調べするため派遣社員のリーダーになる人たちと
一緒に上野駅から深谷駅に向かう前のことでした。

予定の時間より早めに上野駅についたので、
構内をぶらぶら歩いて車中で読む本を探したら、
売り出されたばかりの『邱永漢の株入門』が目に入りました。
私は邱さんの本を読み始めてから4年たっていて
目に入る邱さんの本は片っ端から読んでいましたから
すぐに買いました。

私は深谷に向かう車中でこの本を読み、
読み残したところは翌日、
東京から木更津に向かう電車の中で読み、
千葉駅につく前には全部読み終えていました。
その次の日の朝、日本経済新聞を開くと、
この本の広告が出ていて、
出版されたばかりであることを知りました。
そんな細かなことまで書けるのは
読み終えた『邱永漢の株入門』の余白の部分に
読んだときの状況を書いていたからです。

「邱永漢という人は正直な人だ。
文章もわかりやすく書かれている。
残念ながら、いまはお金がないので株は買えない。
しかし、いつかは株を買ってみたい。
そしてこの本は家族にも読むことをすすめたい」
と私はメモ風に読後感を書いています。
ちなみにその頃の私は40歳でした。


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2003年4月27日(日)

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