Qさんの本を読むのが何よりスキ
という戸田敦也さんがQライブラリーのガイド役をつとめます

第119回
財務相談を紙上で展開した『邱永漢の金儲け相談室』

コンサルタント業から手を引き
人の相談にのるのをやめていた邱さんのところに
邱さんのアドバイスで『一枚の繪』をはじめた竹田厳道さんが、
『邱さんの話をききたいと思っている人は
全国に数多くいますよ。財務相談室というのをひらいて
そういう人の相談にのる仕事をやったらどうですか。
なんだったら僕が広告をだしてもいいですよ』
と、自分で実際に邱永漢財務相談室の広告を出しました。

すると申し込みが次から次へと舞い込んでき、
邱さんは仕方なく、相談の申込み用紙をつくり、
所定の記載事項を書いてもらって申し込みを受け
それから改めて面会日をきめて相談することになりました。

こうして昭和45年に「邱永漢財務相談室」の活動が
はじまりますが、こうした相談のあいまに書いた作品を集めて
昭和46年に『邱永漢の金儲け相談室』を発行しました。

この本は「事業相談室」「家計相談室」「不動産相談室」
「株式相談室」の4部編成です。
「事業相談室」は三菱自動車の販売店へのPR誌
「ダイア通信」で店主を対象に執筆した作品で、
中小企業の経営者の悩みに答えています。

「家計相談室」は『マダム』誌に書いたもので、
一家の財産経営をどうするかについて書いています。

「不動産相談室」は建設業者向けの雑誌
『ハウジング』に連載した作品で、
当時のようなインフレ時代には
不動産投資がもっとも安全であることを強調しています。

『株式相談室』は第一製薬の機関紙
「メジカル・ニュース」に連載した作品で、
邱さんがドクターたちに
「フィナンシャル・ドクター」をつとめています。

これだけ多方面な問題について実際的なアドバイスできる人は
昔も今も邱さんを置いてほかにはいませんね。

話は今に戻りますが、私の友人の一人はこのホームページで
一番先にどこを読むかというと
読者からの質問に対する邱さんの回答だとのことです。
この欄は思えば平成のデフレ時代における
『邱永漢の金儲け相談室』なんですね。


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2002年12月24日(火)

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