私が以前日本のメーカーに勤務していたとき、
メイドイン・ジャパンの商品を中国工場で生産すると発表すると、
世界中の販売会社から悲観的な反応があり、
それを理由に価格値引きを求められました。
それは5年以上も前になりますが、
現在は事情が大分変わりました。
現在、世界の工場である中国で、
中国人がわざわざ日本産を輸入してでも買いたいモノ。
その代表例は赤ちゃん関連の粉ミルクや紙おむつ等です。
今回、明治の粉ミルクからセシウムが発見された事件は
直ぐに中国でも報道されました。
日本産の粉ミルクはそもそも輸入許可がおりないのですが、
それでも日本産の粉ミルクは信頼されていて、
代行輸入会社が香港などを経由して輸入し、
ウェブサイトで販売されていました。
それも今回の事件から止まってしまいました。
中国の幼児の人口は8000万人とも言われます。
中国で日本の粉ミルクといえば明治ブランドですが、
同社は中国に加工工場があり、
日本産の粉ミルクの輸入はできないため、
原料はオーストラリアなど海外にある工場から仕入れ、
中国で製缶して中国市場で販売しています。
日本的な要素は製造方法や管理方法だけなのですね。
2010年の人口統計を見ると、中国に住む外国人は、
1位が韓国人、2位がアメリカ人。
3番目が日本人で、66000人ほどいて結構多いです。
成熟した日本で発明・デザインされた製品やサービスは
中国に来た日本人により
忠実に再現されて市場に受け入れられています。
中国で生産したものは必ずしも日本に貢献するわけではありません。
しかし、日本製品よりも現地で高品質で安心できるものを、
生産することの出来る日本人のほうが
益々有り難がれる時代になっているようです。
絶世の活動情報 : www.zessei.com
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