北京はもう肌寒く、ジャケットが必要な季節になりました。
先週は中秋節だったのですが、
中秋節といえば月餅(月の形をした中国のお菓子)です。
今年も社員に豪華な箱に入った月餅をひとりひとり手渡しました。
月餅といえば、
私が中国に来たばかりの頃に強烈な思い出があります。
今だから言えるお恥ずかしい経験ですが、
中秋節の習慣など知らなかった当時の私は、
中国の各種習慣など全く意に介していませんでした。
そうした習慣ごとは
会計の女の子に適当に手配してもらっていました。
その年、その子はホワイトカラーの職員には月餅の箱詰めを渡し、
その他の職員には月餅1個を渡すように手配したのです。
このことがきっかけになって、彼らは給料を2倍にあげなければ、
明日から出社しないというストライキを起こしました・・・。
待遇は今考えても悪くはないものでしたが、
彼らの自己重要感を傷つけてしまったことで、
怒りが膨れ上がってしまったのです。
自分も同じ事をされたら、怒るでしょう・・・。
新入社員の頃、「早く一人前になりたい」、
「認められたい」と燃えていた私は
その部門の部長の一言一言に一喜一憂していなかったか?
あの頃に月餅のあまりをポイと渡されていたら、
多いに傷付いたに違いません。
命令だけで動く人間に良い仕事を期待出来ません。
この上司は認めてくれる、もっと認められたい、
と張り切る人、
自己実現したいと思っている人と仕事がしたいものです。
リーダーとなる人はそれ以上に、
この仕事は面白いと思わせるのがつとめ。
毎年この季節にはこの人間関係の事故を思い出し、
自分が仕事を一番楽しんでいるだろうか、
職員の気持ちを引き付けているだろうかと自問します。
果たして、今年も豪華な月餅でスタッフをねぎらったのですが、
「今年の月餅はどうだった?」と聞くと、
「去年と同じでした。来年はお金を下さい。」
と切り返されてしまいました・・・。苦笑
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