| 日本で相当報道されたようですので皆さんご存知かと思いますが、一昨日10月16日に成都でデモが行われて、
 地元の日系企業であるイトーヨーカドーや伊勢丹が
 壊されたりといった被害がでました。
 私も、ヨーカドーの真横と伊勢丹の中に店を構えるものとして心配で市の中心に出向き様子を見ていました。
  そもそも、今回のデモは成都に住む我々には事前にわかっていました。
 重慶日本領事館や地元日系企業の情報収集の努力のおかげで、
 当日の朝までにメールで情報が来ていました。
 そこにはこんな風に書かれていました。
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 明日の土曜日、成都で反日デモが行われる見通しですので、
 以下のとおりご連絡いたします。
 ・日時 10月16日(土) 14:00〜
 ・場所:成都市中心部(春照路(伊藤洋貨堂前)〜天府広場)
 ・実施者・組織:反日運動を行う学生の模様
 (背景の組織など詳細不明)
 (公安に対して日ごろから反日デモの申請をする団体。
 普段は公安は認めないが今回は認めた)
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 実際、街でデモをしている人たちは学生のようでした。若い、いや正確には幼い顔をした学生もたくさんいました。
 見るに8割がたの学生はそのデモの意味をよくわからず、グループリーダーの言うとおりに声をだしていました。
 「いいか、ここでxxxと大きく3回叫んでくれ。
 さあ、いまだ・・・。」
 そしてまわりの市民も面白おかしくその“お祭り”に嬉々として参加していました。
 デモをしている、そして参加している人たちに強い思想や信念などない様子でした。
 中国国内でも「中国には人権問題をはじめより深刻な問題が多々あるのに、
 そういった国内問題にはデモはいっさい行われず、
 こういった国外の問題についてだけデモが行われるのはおかしい。」
 という意見を表明する思想家や作家たちもいるようです。
 (ネット上のこうした意見はすぐに削除されたようですが。)
 私は、韓国人として日本に生まれ、子供のころは「日本人ではない。」、
 韓国留学時代は「俺は韓国では韓国人として扱われない。」
 と悩んだ時期もあり、
 愛国心とか国家への帰属とかいう属性の問題には興味がないし、
 きわめて政治問題について関心がないので、
 こういったことがなければこういうことを考えません。
 ただ・・・。
 「中国の政治問題のスケープゴートに日中関係が利用されて、市民レベルでの友好関係が崩れるのはとても残念だ。」
 と思っています。
 幼い顔をした女の子の学生が、チームリーダーの指示に注意を払う真剣な横顔を見て、
 悲しく複雑な気持ちで街をあとにしました。
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