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70. いよいよ日本人の出番がやってきました
つい先日、邱先生が成都にいらっしゃいました。
前にも書きましたが、我々門下生にとっては、
3ヶ月に一度あるかないかの大きなイベントで、
さまざまなことを感じたり、教えをいただき、
自分のモチベーションを高める最高のチャンスです。

今回の滞在期間中もいろいろな学びがありましたが、
特に心に深くささった言葉は

「中国の時代が変化しているということに気づかなくてはだめだよ。
これまで中国は(昔の日本と同じように)
人の物まね、つまりコピーをすることで成長をしてきたけど、
これからはね、やはり価値を創造していく時代になりますから。」

中国の成長の時代の変わり目に差し掛かってきていることは、
私もこの3年間で何気なく感じていましたが、
先生が極めて明確にそうおっしゃることでそれが確信に変わりました。

そして、世の中には変わってはいけないものと、変わるべきものがある中で、
先生は四川料理は変わるべきものに属すると話されました。

邱先生がかつて、四川省の省政府から初めての外資として投資を請われた時、
省長からの夕食の招待で出された四川料理の皿数は
なんと一人あたり35種類であったそうです。
これは、つまり、まずしい時代の中国の象徴で、
量が質を凌駕していたことの表れであったと先生は言っています。

そして今、その量と質の関係が徐々に変わりつつあるのです。
質、つまりより高い付加価値をもつ物・サービス、創造性の総和が
ものの価値をより高める。
だから、たとえチャーハンのように、表面上は単純な料理であっても、
創意工夫によってどこまででも価値が高まるということです。

先生の意味は、四川料理はこの付加価値を高める努力を
ここ数十年怠ってきたというのです。
そして、経済が新しい成長段階に入る時期においては、
伝統的な四川料理でさえ付加価値を高める努力を惜しんではいけないと。

成都に1皿100元(約1500円)のマーボー豆腐があります。
でもこれは、付加価値の高まった結果ではなくて、
無駄に豪華な内装と装飾によって幻想としてつくりだされた価格です。
だから、これは、本質的には街の10元(約150円)のマーボー豆腐と
まったく同じ価値なのです。

今後、中国市場においてこの付加価値が競争の基準となるはずです。
そしてこれからが我々、日本から来た人間たちの本領の発揮のしどころです。

今までは中国に慣れること、
そして、中国人との価格競争の波の影響を受け
船酔いしそうになることもあった我々ですが、
これからは自由に創造性を発揮し、
中国の社会にどんどんと付加価値という新しい波を立てていくのです。

邱先生の話しを聞いて、今後がさらに楽しみになりました。


2008年7月21日(月) <<前へ  次へ>>