中国では日本人に予想できないことが起こることはよく言われることですが、
いったいそれは何のことを意味するのか?
このことに私の経験と考察を加えて紹介してみたいと思います。
私が経営に関わるようになって(短いですが)はや十年。
この間、直接かかわった会社は数十社、
経営分析を行った会社数は数百にも上ります。
また、血の滲むようなハードワークの中で
「経営において完全に新しい問題はない」という信念のような気持ちを持っていました。
中国に来る前までは・・・。
ところが、ところが。
中国にきて焼肉屋をやってみてすぐの時期、
従業員がお客さんが帰った個室の中で
こっそりと残りもののさんまを食べているのを発見したとき、
「こんな問題考えたことなかった・・・。」
と思わずあ然としたものです。
ただこれとて今考えれば1つの小さな応用問題と考えることが出来るのですが、
このように面食らうことはいくらでもあります。
今の中国の市場にはいくつかの特徴があり、
これらの私が気づいた特徴をいくつか紹介したいのですが、
例えばマンションを例にとれば、
「中国では中古マンションのほうが新築マンションより高い。」
私は、町の経済の流れを理解するために、
たまにマンションを見に行くことがあります。
そこで、発見したのが、
「新築マンションより、中古マンションの方が高い。」ということでした。
ほぼ同じロケーション、同条件で公平に比較してもです。
不思議に思って、まわりの友人に聞いたりと調べてみると、
こんなことがわかってきました。
開発が終わっているマンションだと、
中庭をはじめさまざまな施設や住環境が完成しています。
中国では、予定ではそういったものが織り込まれていても、
実際はなかったり、規模が恐ろしく異なったりすることがあり、
その意味では、自分の目で確認できない、
(開発前もしくは開発途中の)新築マンションは、
最終的な資産価値が確定していないのです。
また、中国で新築マンションを購入するには、大変なリスクを抱えることがあります。
特に、代表的なのは、開発業者が途中で資金を持ち逃げして逃げたり、
もしくは、資金不足で建設が途中で止まったり、
急に政府の規制にひっかかり建設が頓挫したりととにかくそのリスクには事欠きません。
反対に、中古マンションをすでに建築が終わっていますし、
このあたりのリスクがかなり限定され、また目に見えているのです。
まとめると中古マンションには以下の2条件が揃っていることになります。
・ 資産価値が既に確定している
・ リスクが目に見えている
こういった理由から、日本とは異なり中国ではマンションの価値としては、
新築より中古の方が高いという状況が見受けられます。
マンションの例に漏れず、中国で物を購入する際は、
自分の手に取ってみること、自分の目で確認することが、とてもとても大切になります。
私は普段のあきないの中で
「自分の目で見て確認する。」
という原則を厳しく守っています。
次回は、とある2つの中国の有名企業の
まったく異なる企業戦略についてご紹介します。
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