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47. 違いのわかる男

怒る(叱る)ことが経営者としてのひとつの責務だという話をしましたが、
怒ってばっかりの経営者のもとで働く従業員ほどかわいそうなものはありません。

怒るというのはよい仕事人としての考え方を身につけさせる
いわばひとつの教育技術、すなわち手段であって、目的ではありません。
言い方を変えれば、人財をそだてる十分条件には到底なりえないのです。

では、人財を育てるのに必要なものとは?
という問いに私なりに答えると次のようになります。

1) 違いのわかる男になる「中国人を理解する」
日本から来たばかりのときは、
中国人と日本人の違いに関して多くのことがわかっているわけではありません。
人財を育てるにあたり、
最低限の中国の文化、中国人の考え方等を理解することは必須です。
私も当初は日本人も中国人も韓国人も人は人。
誠意を持って・・・と考えてはいましたが、やっぱり違うものは違うのです。

2) 価値観とルールを共有する
自分がパートナーとして働く人間たちに何を理解してほしいのか、
どんな仕事スタイルを持ってほしいのか、
成功や失敗を捕らえ対処すべきなのかを明確にしておく必要があります。
(↓これが、私が社内で繰り返し述べている価値観です。)



3) 「疑人不用、用人不疑」(信じられないなら使わない。使うなら疑わない。)
中国では多かれ少なかれ誰しも人間不信に陥ることがあります。
その時に、それでも人間を信じ仕事を任せられるかが
組織を大きくできるかの分かれ目になります。
そして、相当の制度を持つことも大切です。

4) コミュニケーションを仕事と認識する
実際に人財育成をはじめてみると、
びっくりするほど自分の考えが伝わらないことに気づきます。
伝え続けること、すなわちコミュニケーションはそのものが大切な仕事なのです。

これらが、私が考える人財育成のポイントですが、
このうちとくに1)と3)について、次回以降私の経験をご紹介したいと思います。

「違いのわかる男になる」は、
日本人には想像のつかないちょっと変わった中国人の思考パターンについて、
そして「疑人不用、用人不疑」はまさに"泣きながら覚えた人の育て方"で
私に身に起きた不正事件。
不正をする人間の特徴などをご紹介いたします。


2008年2月11日(月) <<前へ  次へ>>