事業資金が不足するという
まあ経営者にとってはもっとも頭の痛い問題に直面したわけですが、
2・3日悩むと少し頭も冷えてこんな風な質問を自分に投げかけていきました。
・ そもそも資金が足りそうにないということは紛れもない事実。
・ そうすると当たり前だが事業の継続にはお金を借りる必要がある。
・ じゃあ、いったいいくら必要で、この状態はいつまで続くのか?
「事実は変えようがない。
またその状況を変えようと自分は最善の努力をしている。
客観的に今後の見通しをたてて、正直に話そう。
それでだめなりゃあきらめりゃいいさ。
そもそも、誰が今の俺以上に苦しみながら努力できるもんか。
この俺でだめなりゃどうにでもしてくれ。」
とちょっと投げやりにも聞こえる、でもひとつの覚悟に近い心境でした。
それから、この先6ヶ月後までの綿密な資金フロー計画をつくりました。
少なくとも計画に隙があってはいけないと、何度も何度も見直し、
この先180日の毎日の資金動向の計画をつくりました。
そうして作成したすべての資料を鞄につめて、
董事長(=会長)が台湾から来るその日を待ってました。
そして、この計画書を董事長に見せ、資金を借りるお願いをしました。
「資金が足りません。お金を貸していただきたいと考えています。」
覚悟を決めて言ったのに、まだ心は緊張していました。
(静寂)
「いくら足りませんか?」
叱られると思っていた矢先に聞こえてきたのは、落ち着いた声でした。
その落ち着いた声が事実を確認しようと私にいくつかの質問を投げかけました。
それに答え終わると、
「では、まず私がX万元貸しましょう。それで数ヶ月様子をみながらやってください。」
首の皮は繋がりました。
「ありがとうございます。」
ありがとうございます。何度も心の中でつぶやきました。
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