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29. 日本のいい店≠中国のいい店

商売繁盛の要素は、
「(Q×S×C)÷Price × Location × Promotion」の6つでした。
このそれぞれの要素について、自分の店で顧客アンケートを行い、
お客さんの声に触れ、周りの友人、そして従業員に話しを聞きまくりました。

結果、お店に対する評価はこんな感じでした。

Q(味) △ 
S(サービス) ○ 
C(環境) ○ 
Price(価格) △ 
Location(場所) △ 
Promotion(宣伝等) △ 

場所については、変えようのない条件なので、ここはあきらめました。
広告・宣伝についても、今はまだその時期ではないと判断していたので、
とりあえずはおいておくことにしました。
問題はQの味とPriceの価格に対する評価の低さでした。
しかしよく話を聞いてみて納得がいきました。

「味に不満といっても、モノがまずいわけじゃないですよ。
ただね、食べるものが少なすぎるんですよ。これじゃ選ぶ楽しみがないですよ。」
というお客さんの言葉がそれを代表していました。

原因はとても明白でした。
私の固定概念です。
メニューを作りこむとき私の頭にあったのは、"日本的ないい店"のイメージでした。
私が考えていたいい店というのは、いわゆる行列のできる店です。
さらにその行列のできる店の中でも究極的にいいのは単品で勝負している店です。
例えるなら「ラーメンと餃子の2品だけで一日中お客さんが行列し続ける店」
というのが最高にいい店ということになります。

この日本的いい店のイメージを持っていた私は、メニュー作りのさい、
「なるべくシンプルな内容にせよ。品数は少なければ少ないほどよい。
写真など載せる必要はない。質実剛健に徹っせよ。」と要求をだしました。

しかし、業績不振に陥った後に現地の方々の意見を聞いて目が覚めました。
「中国では品数の多さがそのレストランの実力を示すと考える消費者もまだ多いんですよ。」
といった声でした。

「完全に間違っていたな・・・。」

メニューについて大幅な修正を行うことを決心しました。

もうひとつの課題である価格については、私自身愕然とするような声を耳にし、
中国ビジネスの難しさを自分の体に刻むこととなりました。


2007年10月8日(月) <<前へ  次へ>>