■柳田洋・北京からの画像便り No.349 ■


社会矛盾調査処理センター
北京の東二環路・東直門の内側にある北新橋地区の
「社会矛盾調査処理センター」です。
この組織はどうも、社会矛盾の存在を調査し、
発見したらまだ小さな芽のうちに処理し、
暴動などに発展するのを防ぐことによって
地域の治安を保ち、不安定化を防ぐ、
という結構重要な役割を担っているようです。
今の中国共産党指導部が偉いと思うのは、
こうした組織を作っていることからも分かる通り、
中国国内に社会矛盾があることを認めていることです。
昔の共産党のように国民の不満を力で押さえつけて
対外的には「全てうまくいっている」などとは言いません。
それでも全国で年間9万件の暴動が起こるのは、
中国最大のリスク要因である「共産党員」が、
その権力を使って汚職をしたり、
無茶苦茶な行政をしたりしているためです。
暴動が起こっている地方にもこうした
「社会矛盾調査処理センター」はあるはずなのですが、
そうした地方ではセンターの職員もグルになっている
可能性が大きいですので、軽はずみな相談もできず、
庶民は暴動に訴えるしかなくなってしまうのです。
そうした地方の悪徳共産党員の悪事を暴き、
中央政府や裁判所を動かすまでの力を持ったのが、
網民(わんみん、インターネット利用者)ですが、
中国共産党は網民の力を借りて
国民の声に真摯に耳を傾け、
悪徳共産党員の一掃をしなければ、
一党独裁体制の維持は難しいのではないか、
と私は思います。

撮影日:2009年6月22日(月)
撮影:柳田洋


前 へ 閉じる 次 へ