第1449回
日中国交正常化40周年
今年2012年は、1972年に
日本と中国の国交が正常化してから
40周年の節目の年となります。
日本の外務省では今年、たくさんの記念行事を行って、
幅広い両国民の交流を通じた相互理解、相互信頼を
促進しようとしています。
2012年日中国交正常化40周年記念事業
(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/jc40th/index.html)
また、北京の日本人コミュニティーでも、
日本大使館、中国日本商会、北京日本人会が合同で
日中国交正常化40周年記念行事推進委員会を組織し、
様々な記念行事を行おうとしています。
私も北京日本人会の40周年担当副会長に任命されましたので、
微力ながら日中両国民の相互理解の促進に
貢献したいと思っております。
ここで私がどうして「日中友好の促進」ではなくて
「日中両国民の相互理解の促進」という
まわりくどい言葉を使っているのかというと、
所詮、嫌い合う人たちを無理矢理仲良くさせることは
不可能であると思っているからです。
日本には中国や中国人を嫌いな人がたくさんいます。
しかし、その人たちの多くは中国に来たこともなく、
中国人と話したこともなく、
バイアスがかかったマスコミの報道を鵜呑みにして
一方的に嫌っているだけです。
これは中国の「反日」の人たちにも同じことが言えます。
日本のマスコミはもちろん、
中国で起こった事実を伝えてはいるのですが、
ニュース性があるかないか、という観点から
起こっている全ての事実をふるいにかけた時点で
既にバイアスがかかってしまっています。
そして、ニュースを受け取る人に、
その事実が中国で起こった全ての事実のなかの
ほんの一部であるにも関わらず、
それが全てであるような印象を与えてしまうのです。
日本に抗議して日本大使館に向かって
ペットボトルを投げつけるというイベントと、
北京日本人会の緑化委員会が
中国側と一緒に植樹をするというイベント。
イベントの規模としては同程度なのですが、
ニュースになって日本で報道されるのは
前者だけなのです。
相手のことを良く理解した上で、
それでもどうしても嫌いだ、というならば
私は何の文句もありません。
しかし、相手のことを何も知らないのに
一方的に嫌うのはどうかと思います。
相手を嫌う前に、まずは
「どうしてそういう行動に出るのか」という
相手の事情を理解しようとすることが、
人間としての最低限の礼儀ではないでしょうか。
国交正常化40周年を迎える今年、
日中両国では様々な日中共催の行事が催されます。
そうした行事に参加して、
実際に相手国を自分の目で見て、
その国民と自分で話すことによって
自分の頭で考えた自分なりの理解をする人が
増えることを期待しています。
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