第1396回
アフターサービスは修理から交換へ

私は先日、中国家電量販大手・
国美電器(ぐぉめいでぃえんちー)で、
中国メーカー・清華同方(ちんほあとんふぁん)の
パソコンを買って家に帰りました。
しかし、家で新しいパソコンを立ち上げてみると、
パソコンから異音が...。

「やっぱり日本メーカーのものに
しておいた方がよかったのかも...」、
「修理に出したらまた何日間か
パソコンを使えない日が続くなぁ」
などとちょっと後悔しながら、
パソコンを買った国美電器に向かいました。

お店に着いて事情を話すと、
販売員の方が問題のパソコンを立ち上げて異音を確認し、
すぐに同機種の新品と交換してくれました。
販売員の方曰く「また壊れたら持ってきてください。
すぐに新しいのと交換しますから」とのことでした。

交換してもらったパソコンは
異音も他の問題もなく無事使えたのですが、
よく見るとパソコンに
「一年保換(いーにぃえんばおほぁん、1年間交換保証)」
というシールが貼られていました。
パソコンが壊れたら買ってから1年間は
無料で新品と交換する、ということです。
今やアフターサービスは
「一年保修(いーにぃえんばおしゅう、1年間修理保証)」
ではなくて「一年保換」なんですね。

消費者の立場から考えると、時間がかかる修理より、
すぐにその場で新品に換えてもらえる方が
ずっとありがたいです。
また、ある程度の期間使ったものは愛着もありますが、
やはり新品に換えてもらった方が気分が良いです。

一方でメーカー側にとっても、
パソコンを修理できる人材を揃えて、
修理ネットワークを構築するよりも、
低コストで生産された新品を渡してしまった方が、
アフターサービスのトータルコストは
低くなるのではないでしょうか。
また、壊れたパソコンは全て
販売店から工場に送り返してもらえば、
不具合の原因を分析して、
そのデータを工場が一括管理することにより、
今後の不良品発生率の低下や
壊れにくいパソコンの開発などにも
生かすことができそうです。

技術の進歩により
家電製品の生産コストが下がりつつある中、
修理をするより新品を渡してしまった方がコストが低い、
というものがどんどん増えているように思います。
パソコンもそうですが携帯電話に至っては、
現在、中国では諾基亜(のーじーやー、ノキア)の
ホンモノの携帯電話が、一番安いモデルは
100元(1,200円)で売られています。
この値段だとどう考えても、修理をするよりも
新品を渡してしまった方がコストが低そうです。

今でも修理中心の日本企業のアフターサービス。
しかし、モノによっては清華同方のような
交換保証にしてしまった方が、
消費者の評価も上がるでしょうし、
修理ネットワークを構築しなくてよいことを考えると、
アフターサービスのトータルコストも
かえって低くなるのではないでしょうか。


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2011年9月16日(金)

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