第1354回
次の「中国版○○」の上場は?
今回の「人人公司」のニューヨーク上場により、
中国版グーグルの百度(ばいどぅ)、
中国版ユーチューブの優酷(よーくー)、
中国版ツイッターの新浪(しんらん)、
中国版アマゾンの当当網(だんだんわん)、
そして中国版フェイスブックの人人網(れんれんわん)と、
アメリカ発のITサービスの中国版は
一通りニューヨークの株式市場に上場したことになります。
倫理的にはいろいろと問題があるとは言え、
「中国版○○」と一言で説明できる明快なビジネスモデルは、
アメリカ人投資家にとっても分かりやすいため、
中国本土や香港よりもニューヨークで上場した方が
おカネが集まりやすいのでしょう。
さて、次の「中国版○○」の
ニューヨーク上場は何になるでしょうか?
私は「中国版グルーポン」に
なるのではないかと見ています。
2008年にアメリカのグルーポンが始めた、
一定数の購入希望者を集めれば
商品を安価に購入できるという共同購入システム。
中国では団購(とぉあんごう)と呼ばれて
昨年あたりから流行り始め、
1年足らずで1,000以上の共同購入サイトが誕生しました。
一方の本家・グルーポンは今年に入って
ようやく中国市場に参入を果たしましたが、
時、既に遅し。
「www.groupon.cn」というウェブサイトは
既に中国企業に使用されており、
仕方なくサービス名を「グルーポン」と発音が似ている
「高朋(ばおぽん)」と名付け、
そのピンインである「www.gaopeng.com」という
ウェブサイトでサービスの提供を始めました。
最近では本家・グルーポンが
「www.groupon.cn」というウェブサイトを持っている
「団宝網」を買収して、
grouponのドメインを取り戻すのではないか、
という噂が流れていますが、
どちらにしても大幅出遅れの感は否めません。
千橡互動集団の創設者・王興氏が「校内網」を立ち上げたのが、
マーク・ザッカーバーグ氏が「フェイスブック」を立ち上げた
直後だったことからも分かるとおり、
今や中国と世界のビジネス情報にはほとんど時差がありません。
アメリカの本家と言えどもモタモタしていると、
おいしい中国市場を見よう見まねの中国企業に
全部持っていかれてしまうのです。
中国の団購業界は現時点では
雨後のたけのこ、群雄割拠状態ですが、
ビジネスの性質から言って、あと1年もすれば
「勝ち組」と「負け組」がはっきりし、
その「勝ち組」の中でも最大手と呼ばれるようになった会社が
「中国版グルーポン」としてニューヨークに
上場することになるのでしょう。
どの団購の会社が「勝ち組」になるかは
今のところ分かりません。
しかし、近い将来「中国版グルーポン」と呼ばれて、
華々しくニューヨークの株式市場に
上場することになるであろう会社の
未公開株を買える立場にある方は、
今がラストチャンスと言えるのかもしれません。
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