第1274回
社員旅行は日本ではなく済州島
先日、当社は社員旅行で
韓国の済州島(じーぢょうだお)に行きました。
開業から9年、今まで社員旅行と言えば、
北京市の郊外止まりだったのですが、
今回は、中国の他の観光地を通り越して、
いきなり海外旅行となりました。
当社は日本関係の業務が多く、
日本語を勉強した中国人社員も多いですので、
社員旅行が海外ならば、行き先は当然、
日本であるべきなのですが、
今回、当社の社員たちが
韓国の済州島を旅行先として選んだのは、
済州島なら中国人社員も
免簽(みぃえんちぇん、ビザ免除)で
行けるからです。
朝鮮半島の南に浮かぶ韓国最南端の島・済州島。
その温暖な気候から
韓国国内では「東洋のハワイ」と呼ばれ、
人気のリゾート地となっているようですが、
一方で半島から離れた島であることから
大規模な産業が育たず、
韓国で最も貧しい地域としても知られています。
そんな貧乏な状態を克服するために、
特別自治道である済州道が行ったのが、
韓国国内からだけではなく、
外国からもたくさんの観光客を呼び寄せるための
ビザ無し入国の拡大でした。
2008年2月からは、中国人も最長30日間、
ビザ無しで済州島に旅行できるようになりました。
この政策により、
済州島に旅行する中国人観光客は激増、
今まで一番のお得意様だった日本人を軽く抜き去り、
今年は前年比100%増の40万人前後と、
済州島を訪れる外国人の半分が
中国人になることが見込まれています。
もちろん、当社の社員も団体旅行ならば
ビザを取って日本に行けますし、
規制緩和によりクレジットカードの
ゴールドカードを持てるぐらいの定期収入があれば、
個人旅行のビザが取れるようになってはいるのですが、
やはり、パスポートさえ持っていれば、
航空券とホテルを手配して明日にでも気軽に行けて、
済州島の島内ならば自由に行動できる、という
ビザ無し旅行の開放感にはかなわないようです。
日本でも「北海道観光インバウンド特区」など、
中国人のビザ無し観光を認める構想がありますが、
韓国ではビザ無し地域を現行の済州島だけではなく、
一定の条件の下で韓国全土に広げる動きがあるなど、
より多くの中国人観光客を誘致するための規制緩和が、
日本よりも何歩も進んでいます。
もちろん、不法滞在の防止や取り締まりには
細心の注意を払わなければなりません。
しかし、中国からの観光客を
韓国に根こそぎもっていかれないようにするためには、
日本政府はビザ政策の緩和を
早急に検討する必要があるように思います。
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