第1260回
大学生にこそ知ってほしい本当の中国

「日中の相互理解」の一助になれば、
という思いで書かせて頂いている
この「中国ビジネスのススメ」ですが、
正直なところ、日本の大人の人たちには
もうあまり期待をしていません。

なぜなら、いつもご愛読頂いているみなさまには
私の言っていることをご理解頂けると思うのですが、
過去の「不愉快な事件」や「マスコミの偏った報道」で
「中国=イヤな国」という図式が
頭の中でできあがってしまっている大人の人が、
偶然、このコラムに行き当たったとしても、
いまさら「中国や中国人のことをもっと知ろう」
と考えるとは思えないからです。

私がこのコラムを本当に読んでほしいと思っているのは、
日本の大学生のみなさんです。

「日本には中国に来たこともなく、
中国人と話をしたこともないのに、
マスコミの報道を鵜呑みにして
「中国は嫌いだ」と言っている人がたくさんいるが
それは良くない。
まずは、中国に来て、中国人と話して、
中国を良く理解した上で、それでも
「やっぱり中国は嫌いだ」ということなら
それはそれで良いことだと思う」

私は北京に留学に来た
早稲田大学の学生のみなさん(※1)や、
「京論壇」(※2)のディスカッションのために北京に来た
東京大学の学生のみなさんに会うと
いつもこういう話をしています。

まだ頭の中が凝り固まっておらず、
過去の「不愉快な事件」や
「マスコミの偏った報道」の影響を
あまり受けていない日本の学生のみなさんが、
中国を良く理解して、自分の頭で
中国や中国人との付き合い方を考えるようになれば、
彼らが社会の中核を担うようになる20年後には、
日中関係は今とはずいぶんと違った、
もっと成熟したものになっているのではないかと思います。

そうした思いもあって、私は今回、
PHP研究所様のご協力を頂き、
私の著書、「起業するなら中国へ行こう!」(PHP新書)を
自費で増刷し、全国1,300校の大学、短大に
1冊ずつ寄贈をさせて頂きました。

大学の図書館に行って、私の本を読んで、
「中国や中国人のことをもっと良く知ろう」
という行動に出てくれる学生さんが1人でもいれば、
今回かかったおカネは「生き金」になったと
言えるのではないかと思っています。


※1 早稲田大学北京事務所ブログ
http://www.waseda-office.cn/beijing/blog/?cat=1

※2 京論壇
http://jingforum.org/jp/index.html


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2010年11月5日(金)

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